陽気な花穂と内気な真穂
真斗の意識が戻ったと栞菜から連絡があり急いで病院へと向かう夜桜。真斗が無事な事を確認すると泣きながら真斗に抱き着く。しかし、そこには自称婚約者の栞菜もいて、さらには他のnumbers達の姿もあった。そんな中、夜桜の見たことないnumbersが居た。巴愛梨と霧山大河さらには謎の双子。いったい、この双子の正体とは・・・・。
一ノ瀬真斗が居る病室の方へと1人の少女が全速力で走る。
【ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッ】
【ガララララララララララララララッ】
「ハァ、ハァ、ハァ。――――――――一ノ瀬君!!!」
「お、おぅ、夜桜!どうしたそんなに慌てて。」
その少女とは夜桜紅葉だった。高砂の家で退院祝いをしている時に、栞菜から一ノ瀬が目を覚ましたと聞き全速力で走ってきた。額には薄っすら汗をかき、息はまるで何キロも全速力で走り続けたぐらいの息遣い。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。良かった・・・・本当によかった。」
夜桜は、ベットの上で上半身だけ起こしている真斗に抱き着いた。そして泣きながら何度も『よかった』と言っていた。
「おいおい、夜桜・・・・・・・・・・」
「何よ、この馬鹿!本当に心配したんだから!」
「わ、悪かったよ・・・。だから少し離れてくれないか?」
「嫌!離れない!」
「で、でもな・・・・・・。」
「オッ、オホンッ」
そこには、一ノ瀬だけではなく夜桜に連絡をした栞菜や他のnumbersも居た。夜桜は、真斗を見るや否や直ぐに抱き着き栞菜の存在に気が付いていなかった。
「紅葉ちゃん?私達も居るんだけど?」
夜桜は慌てて声のする方を見ると、そこには壁にもたれかかっている栞菜の姿があった。
「え!?・・あ・・・い・・いや・・・こ・・これは・・」
完全にやらかしてしまった夜桜は、耳まで真っ赤にした顔で真斗から離れる。そして霧島が、
「いやー、すごいね。夜桜さんだっけ?栞菜先輩の居る目の前で真斗に抱き着くなんて。相当の勇気が無いと出来ないよ?」
「―――――え!?」
夜桜は霧山が言ってる事が理解できず、頭の上にクエスチョンマークを出している。と、ここで1人の少女が夜桜に話しかける。身長は150㎝ぐらいの小柄な女の子。髪の毛は金髪で縦巻きロール、爪にはネイルを施しまつ毛も着けまつげでモリモリに盛ったキャ〇クラに居そうなギャル。
「栞菜ちゃんはね、真兄の婚約者なんだよ!婚約者を目の前にして抱き着くとは、お姉さん相当怖いもの知らずだね!」
「――――――――なっ!」
「あははははははははっ!その顔じゃ知らなかったんだね?ならしょうがないか!栞菜ちゃん、多めに見てあげなよ!」
「まぁ、知らなかったんじゃしょうがないか。大人の余裕と言う事で今回は多めに見てあげる!」
「ちょ!え!?なっ!?こ、こ、こ、婚約者?一ノ瀬君の婚約者?ええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
夜桜がパニックに陥る。今まで誰からも聞いた事のない事実。もちろん、真斗の事なら何でも知っている楓の口からさえ聞いたことは無い。
「夜桜、気にするな。花穂と栞菜さんが勝手に言ってることだ。そのような事実はない。」
「ええぇぇぇぇぇぇぇ!?そんなひどいよ、真斗君!昔、お嫁さんにしてくれるって言ってたじゃない!お姉さんはちゃんと覚えているよ!」
「そうだぞ、真兄!男だったら、1度言ったことに対して責任を取るべきです!」
「いつのこと言ってんだよ?俺がクソガキの時じゃねーか!そんなのは無効だ!」
「嫌だ!嫌だ!嫌だ!嫌だ!絶対に嫌だ!今でも真斗君の為にお姉さんの初をとってあるのに!これは真斗君にあげるって決めてるのに!」
「なら、栞菜先輩その初を僕にくれても・・・・・。」
【ドガンッ】
「ぎゃふん」
突然、霧山がすごい勢いで吹き飛ばされ壁にめり込み気絶した。
「あらあら、霧山君はバカね。いつも余計な事言うんだから。」
扇子で口元を隠している巴が、壁で口から泡を吹きのびている霧山に対していった。
「ありがとう、真穂ちゃん。よしよし!」
霧山を吹っ飛ばしたのは栞菜の横に居た小さな女の子だった。右手には身体よりも大きな盾が握られていた。栞菜は横に居た無表情の女の子の頭を撫でる。
「あ、あの。すみません。その、私が知らない方が居るみたいなのですが・・・・。」
「あっ!そっか、紅葉ちゃんは始めて会うんだっけ!紹介するね!まず、そこに居る扇子を持っている子は巴愛梨。高等部2年。numbers8よ。」
「うふふふふっ。よろしくね!」
「そして、そこで無礼な発言をしたのが霧山大河。同じく高等部2年。numbers10よ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「そして、そこのギャルの子は月乃宮花穂。中等部2年。numbers4。」
「よろしくっ!」
「そして、この子は月乃宮真穂。この子も中等部2年で、花穂と双子なの。そしてこの子が以前話したnumbers2の子よ。」
「――――――――――――――――――――――――。」
「あ!ごめんね、紅葉ちゃん。真穂はね、弐式の影響で喋れなくなってしまったの。花穂とは違い、内気ですごく人見知りだけど仲良くしてあげてね!」
「この子がnumbers2――――――――。」
【ジ――――――――――――――――ッ。】
「!?」
夜桜は真穂の事をじっと見ている。以前、栞菜から聞いた実質numbersの中でも3番目に強いと言われている子だ。numbersは1~3は同等の強さ、numbers4~10は強さは同じぐらいで、すぐにでも順位変動がおきそうなぐらいだ。
numbers1 松風栞菜
numbers2 月乃宮真穂
numbers3 柊木桃花(実質強さはnumbers4以下)
numbers4 月乃宮花穂
numbers5 近藤武
numbers6 ???
numbers7 一ノ瀬真斗(わけあって自らnumbers7に志願している。実質強さはnumbers1とも言われている)
numbers8 巴愛梨
numbers9 ???
numbers10霧山大河
しかし、numbers3とnumbers4では桁違いに強さが違うと言われている。numbers3の真穂とnumbers4の花穂とでの強さは天と地の位の差だ。
真穂は身長も花穂と同じく150㎝ぐらいの、茶髪で花穂とは違って派手さのない女の子。
真穂はじっと見つめてくる夜桜を怖がっているのか泣きそうになって栞菜の後ろに隠れてしまう。
「あ、あぁ。ごめん、ごめん、そんなつもりはなかったんだけど。」
慌てて真穂に対して謝る夜桜。そして完全に警戒態勢に入る真穂。
「真穂ちゃん!これからよろしくね。」
夜桜はそっと真穂に近づき右手を差し出す。そして、真穂は数秒夜桜の手を見てイリュージョンウェポンを解除してそっと手を握る。その時、
「いやーん!百合ちゃんや柚子ちゃんも可愛いけど真穂ちゃんもチョーかわいい!」
「!!!」
可愛い女の子を見ると我を忘れる夜桜は急に大声を出した。自分の目の前で大声を出された事で、ビックリしたのか真穂は今度は走って巴の後ろにイリュージョンウェポンの盾を自らを守る様に構えて震えながら隠れる。完全にやらかしたと青い顔をして真斗に助けを求める夜桜。
「一ノ瀬君・・・・・・・・。」
涙目になりながら腰から砕け落ちる夜桜。
「ははははははは。大丈夫だって!真穂はお前に耐性が無いから少し驚いてるだけだって。慣れてくれば平気だよ。」
「そ、そう?」
「あぁ。だからまずは、少しづつ真穂との距離を縮めてみろ!」
「う・・・うぅ・・・うん」
夜桜は涙を拭いもう一度真穂との接触に試みる。
「ごめんね、真穂ちゃんさっきは驚かしちゃって。そ、その・・・可愛くてつい・・・あははははははは・・・・。」
夜桜が右手を頭の後ろに回して後頭部をかく。しかし真穂はすかさず花穂の後ろに行って隠れてしまう。
「う・・うぅ・・・うぅう・・一ノ瀬君・・・・。」




