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Numbers  作者: 雨のち晴れ
最悪の野外実習編

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我が名前はグリモア。

見たこともない魔物に襲われる夜桜達。悲劇は起こり、クラスメイトが1人死を迎えた。初めてのクラスメイトの死。生徒達は、思考が停止する。この状況をどうにか出来ないかと考える高砂。その時、突如高砂のイリュージョンウェポンが勝手に構築される。そして、高砂にとって最悪の決断が迫られる。

クラスメイトの高槻歩(たかつきあゆむ)の顔が、蟻の臀部(でんぶ)から放たれた液によって顔が弾け飛んだ。近くに居たクラスメイト達は、何が起こったのか分からず数秒沈黙する。そして、


「「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」


「高槻!!」


クラスメイト達は数秒の沈黙の後何が起きたか理解する。臀部から放たれたのは【蟻酸】だ。蟻酸とは、ハチやアリの毒腺中にあり、これらの虫に刺されたときの皮膚の痛みやはれの原因となる。これが臀部から放たれて、高槻の顔にかかり本来なら腫れるだけなのだが、相手はタダの蟻ではない。蟻の形をした魔物だ。当然何もかもが桁違い。

毒性を増し、腫れるだけのはずが腫れた後に顔が膨張して破裂したのだ。


「くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!よくも、よくも高槻を殺したな!許さねーぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


1人の男子生徒が、我を忘れて蟻の魔物のに畳み掛けて攻撃する。


「死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!」


【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】


「落ち着け斎藤!!」


「コノヤロォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!」


もはや、クラスメイトの声も聞こえず斎藤は蟻の魔物を攻撃し続ける。やがて攻撃を受け続けた蟻の魔物はやピクリとも動かなくなる。


「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ。クソが。」


斎藤は目に涙を浮かべ、


「何で高槻が死ななくちゃならねーんだ。こんなのありかよ。クソ・・・・・・・・。」


皆が高槻の死を受け入れられず立ちすくむ中、夜桜がそんなクラスメイト達に声を掛ける。


「みんな、高槻君が亡くなって悲しいのは分かるけど動きを止めちゃダメ!まだ魔物達は居るのよ!まずは各自死なない事だけに専念して!必ず空木達がみんなを連れて来てくれるから!それまで、誰一人欠けてはダメよ!」


「そうだぜみんな!悲しんでいる場合じゃない。まずは目の前の魔物をどうにかしねーと、次に死ぬのは自分かもしれねーんだぞ!」


死の恐怖、皆わかってはいるが実際に死んだ者が居る現実に戦意を喪失する者も出てくる。


「―――――――――いやだ。まだ死にたくない。」


誰の声だろうか。1人の男子生徒がそんな事を言う。その言葉に便乗して多数の生徒が同じことを口にする。


「イヤだ。イヤだ。イヤだ。私、死になくない。」


「お、俺も死にたくねー。」


「――――――――――――――――逃げろ。」


「「「え!?」」」


「みんな、逃げろ!俺達だけじゃこの数は手に負えない。こんなの無理だよ。numbersも居ない。ゴブリン達だけなら俺達でもなんとかなったかもしれない。けど、見たことも聞いたこともない魔物が何体も居る。こんなの詰んでるじゃねーか。なら、今できることは逃げるしかないじゃないか。」


「ちょっと待って、飯田君。それはダメよ!今、この状況で背を向けて逃げるのは悪手よ。」


「じゃ、聞くけどどうすりゃいいんだよ夜桜!お前ならこの状況を覆せる力でもあるのかよ!numbersでもないお前がよ

!」


「そ、それは・・・・・・・・・。」


「何だよ!何もねーのかよ!」


「ちょっと待ってよ!私も今考えているから!」


(どうしよう・・・・・・。私を助けに来てくれた紅葉達が言い合いになっちゃってる。何とかしないと。今、私に出来ることは何かないの?せめて1回だけでもイリュージョンウェポンさえ使えればどうにかなる。――――――――――――――――力が欲しい。)


《なら高砂百合よ、我が名を呼べ。汝は何を望む?》


何者かの声が高砂に問いかける。すると、高砂のイリュージョンウェポンが勝手に構築される。そして聞いた事のない女性の声が今度はイリュージョンウェポンから聞こえる。


「え!?」


《汝は何を望む?何か望みがあるならば、力を与えよう。何者にも負けない絶対的な力を。》


「誰?私に話しかけるのは誰?」


《我が名前はグリモア。汝のイリュージョンウェポンだ。》


「イリュージョンウェポン?え!?どういうこと?」


《そのままの意味だ。汝らのイリュージョンウェポンにはそれぞれ意思がある。汝が我の力を求めたから我が絶対的な力を与えようと言っている。》


「絶対的な力?それってどんな力なの?」


《言った通り、何者も負けない絶対的な力だ。汝は、守りの力を手にしている。その力の増幅するすることが出来る。》


「増幅?効果が上がるって事?」


《そう捉えて貰っても構わない。》


「なら、その力が欲しい。お願い、力を貸して!」


《そうか、我の力を求めるか。なら、この力与えよう。だがしかし、ただで与えるわけにはいかない。》


「何?何か条件があるの?それは何?」


《我は愛を司るイリュージョンウェポン。皆を守り、皆を愛する。故に汝、高砂百合に求める物は、汝の最も愛すべき人間同士の記憶を全て消す。すなわち、吉沢豪に関する記憶を全て消すことになる。すなわち、吉沢豪の記憶からも汝、高砂百合の記憶を消すことになる。》


「――――――えっ!?」

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