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Numbers  作者: 雨のち晴れ
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これからの2人

この世界は、魔物が蔓延る世界である。故に魔物と人類の争いが幾度となく繰り広げてられている。そんな世界で、人類は対魔物に対抗する手段としてイリュージョンウェポン(幻想武器)を神から授かるのであった。しかしそれは成人になるまでの子供たちのみ授かる事許されており、成人を迎えた者は自然と使えなくなる。マナという能力により創り出され、各々が創造する物一つだけ与えられる唯一の対魔物に特化した武器である。全ての子供が創り出されると言うわけでもなく、何かしらの力が働いて創り出されるもの。その何かしらの力と言うものは未だに解明出来ていない。そんな中で今日もまた一人の少年が理不尽なこの世界で必死に生きているのであった。

被害は出てしまったものの、ゴブリンの群れを退けた真斗は、Numbersから支給されているインカム型の通信機器で本部に連絡し、応援を要請した。


程なくして、10名位のNumbers候補生とNo.9と10が到着する。


Numbersは上位10名が番号を与えられ、その他の物は番号持ちが死亡もしくは、引退した時の補充要員としている。組織は、100名程で候補者たちは早くナンバー持ちになれる様、日々訓練や努力をしている。


半年に一回、Numbers全体でトーナメント式の1対1の勝負をして、その時上位10名がナンバーを与えられる。Numbersは国の組織であり、ちゃんと給料も支払われる。固定給+歩合制であり、番号が若ければ若い程、給料は支払われる。


それこそ、上位10名以内に属するものは1ヶ月の給料は、高額の物になり家族四人が何不自由なく暮らせる位の金額だ。そのこともあり、入れ替え戦での戦いは相当過激なものになる。我こそはと思う若者で溢れかえり、10位以内に入り喜ぶ者、次こそはと悔しがる者、順位を下げ泣く者もいる。


そんな中、No.9と10が真斗に近づき、

『お疲れ真斗。しっかし、流石だなぁ真斗は・・・・。この数のゴブリン相手にこれだけの被害で済むなんて。』


そう言うのは、No.10の少年近藤武こんどうたけし髪は金髪で短髪、体は真斗より筋肉質で如何にも力が全てだと言いそうな少年。真斗のニつ上の先輩だ。


『そうですね、私だったらこれの倍の被害は出てると思います。本当に尊敬しますよ。』

こちらの少女はNo.9の柊木枯葉ひいらぎくれは髪ピンク色で、サイドテール、体少女だけあって、ややきゃしゃな体格で、でも出てる所は出ており、凹んでいる所は凹んでいるナイスバディーな少女。この少女も真斗のニつ上の先輩、で最近No.9になった少女だ。


ちなみに楓はと言うと、まだ11歳って事もありまだまだ幼なさすら残る少女。髪は明るめの茶色で少し短めな髪をツインテールにしている。


『いやー、そんなことないですよ先輩。救えなかった命のが多かったんですから。』


そう言って真斗は、後ろに隠れている楓を見て言う。すると、近藤が


『真斗?その後ろに隠れている女の子は?』


近藤が不思議そうに真斗の後ろに怯えている楓を見て言った。


『あ、あぁ。この子は姫崎楓。今回の戦いで両親が二人とも亡くなってしまった子だ。流石にここには居させられないので、本部で保護してもらおうと思っている。』


すると楓が『えっ!?』と言わんばかりな顔をして、不安そうに真斗のコートを掴む。


それを見た柊木が、


『真斗君だいぶ懐かれてるねぇ。真斗君が本部に保護してもらうと言った瞬間に楓ちゃん、さらに不安な顔してるよ。』


事実、楓は今回の襲撃で両親二人を失ったばかりでさらには王都に知り合いも誰も居ず、そんな所に放り出されるのだから不安で仕方ない。


『お兄ちゃんは、一緒に居てくれないの?楓一人になりたくないよ。』


そんな不安そうに言う楓に真斗は、


『大丈夫だよ、楓ちゃん。Numbersの本部はこの国のどこよりも安全だから!それに、無いとは思うけどもしもの事があれば、Numbers本部には、常に何名かのNo.持ちが待機してるから。俺と居るより数百倍安全だ。』


不安そうにしている楓を安心させる為に言った真斗だが、


『楓、お兄ちゃんと一緒に居たい。お兄ちゃんと一緒がいい。知らない人と一緒に居るの怖いよう・・・・。』

そう言うと、楓は泣きそうな顔になる。


『そうだよねぇ楓ちゃん、知らない人一緒は怖いよねぇ。不安だよねぇ。うんうん、お姉ちゃんにもわかるよその気持ち!!はぁー、そんな事もわからない後輩君は如何なものかと思うんだけどなぁ、お姉ちゃんは!!それに、真斗君の家は一人で住むには大きすぎない?』


楽しそうにニヤニヤ顔の柊木が言うと、


『先輩、勘弁してくださいよぉ。俺まだ中等部ですよ!?そりゃ、本部が支給してくれた家に一人で住んでますけど、それとこれとは話しが下手でしょ・・・。近藤先輩も何か言って下さいよ。』


そんなやりとりを聞いていた近藤も、


『いいんじゃないか?楓ちゃんは、真斗が引き取れば。お前は俺らより全然強いし、何なら今のNo.3より強いんじゃないか?何で上に行かないのかが俺には不思議でしょうがないんだが・・・。一人守る程度なら朝飯前だろ!それに、楓ちゃん本人がそれを望んでらならそうしてあげるべきだと思うぞ、そうだよな楓ちゃん!?』


そう、近藤に話しを振られた楓はニコニコ顔の満面の笑みで


『うん、そう!楓は、お兄ちゃんと一緒がいい!お兄ちゃんの強さは楓もしっかり見てるし、お兄ちゃんは世界で一番強い!!楓が保証する!!!』


そうすると、二人が楓の味方に付いたことにより、楓は近藤と柊木の近くに行き、ハイタッチを二人に求める。それに応えるかのように二人は楓にハイタッチをする!


ニッシッシッシッと笑っている楓を見て真斗は小声で


『いゃ、楓ちゃんに保証されてもなぁ。』


『さっ、そうと決まれば真斗君と楓ちゃんはお家に帰りなさい。二人が出歩いていい時間じゃないわよ。後の事は私達がやっておくからゆっくり休みなさい。』


『元々世間では、中等部の少年少女が出歩いてはダメな時間に呼び出されたんだが・?』


そう苦笑いを浮かべる真斗に対して近藤が


『それは仕方ないことだ。国の法で決まっているからなっ。Numbersのメンバーは、緊急事態の時だけは夜中の外出はOKだと。それを承知でNumbersになったんじゃないのか?』


『そりゃ、そうだけど。これだけ夜中に妖精があるのは理不尽だ・・・・。俺らの自由を返してくれ。』


観念したかの様に真斗はしょんぼりする。


『さっ、話しはここまで!私達も、村人の皆さんの為にも作業を進めないとねっ!そーいう事だから、真斗君、楓ちゃんまたねっ!』

その言葉を残し、柊木は村人との集まる場所に駆けていく。


『じゃ、俺もそろそろいくかぁ。後の事は任せろ!じゃぁな、真斗、楓ちゃん』

そう言って二人に手を振りながら、持ち場に戻る近藤。


『それじゃ俺達も帰るか、楓!!早く帰らないと朝になってしまう。』


真斗は楓の頭を撫でる。頭を撫でられながら楓が、


『そうだね、帰ろうか。これから先、よろしくお願いします。』


深々と頭を下げる楓に真斗は、


『あくまでも、お偉いさんのOKが出たらの話しだからなっ!今日だけは、しょうがないから家に泊めてあげるけど。』

そう言って、二人は真斗の家に向かうのだった。


翌日、真斗と楓は王都にあるNumbersの本部に言って、事情を説明したらあっさりとOKがでた。本部的にも、手の掛かる少女を手元に置いておきたくはないのだろぅ、と真斗は思った。


これで二人は、やっと落ち着いて暮らせる様になるはずだった・・・!?

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