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Numbers  作者: 雨のち晴れ
最悪の野外実習編

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夢だったのよ

高砂を助けに来た夜桜。その圧倒的な力でゴブリン達を蹂躙していく。それでも、夜桜に襲い掛かるゴブリン達。数で圧倒するゴブリン達は徐々に夜桜達を追い詰めていく。だが、そこに現れたのは夜桜クラスメイト達であった。さらに激しくなる戦い。そしてゲートの存在を知る夜桜が出した決断とはいかに。

夜桜に睨みつけられたゴブリン達は後ずさりをする。大剣を両手で構えて、周りを見渡す夜桜。どうやら、魔物達は前方にしかおらず囲まれてはいない。


「百合ちゃん、そこの木を背にして座ってて。直ぐに片付けるから。」


「う・・・うう・・・・・わ・・・わか・・りまし・・た」


泣きながら、つっかえつっかえ喋る高砂。


ジリジリと魔物との距離を詰めていく夜桜。ゴブリン達も夜桜と距離を取る様に下がっていく。ゴブリン達は自分たちが持っている棍棒では夜桜の手にしている大剣では分が悪いとみて逃げようとする。


「ギャ・・・・ギャャャ・・・ギャ・・・ギャ・・・・」


ゴブリン達は何か話している。何を話しているかは夜桜にはわかるはずもなく、警戒を怠らない。そして、ゴブリン達の話しが終わると、目の色を変えて攻撃をするため夜桜目掛けて一斉に走り出す・・・・・と見えたのだが、数体は夜桜に向かってくるが数体は夜桜には目もくれず後ろで座っている高砂を目指している。


「きゃゃゃゃゃゃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「チッ。」


夜桜は、高砂に迫ろうとしているゴブリンに向かって大剣を投げる。大剣はゴブリンの胴体に刺さり串刺しになる。そして夜桜はすぐさま走り、高砂に攻撃を仕掛けようとしているゴブリンの胴体に後ろから蹴りを放つ。クリーンヒットしたゴブリンは吹き飛び地面に転がる。もう一体のゴブリンには顔面パンチをおみまいする。


【ゴンッ】


顔面パンチを食らったゴブリンはバウンドしながら転がる。一度、イリュージョンウェポンをしまう夜桜。そして、すぐにまたイリュージョンウェポンを出す。この使い方は、非常に便利そうだが、イリュージョンウェポンは出す時が一番マナを消費し決して良い戦い方とは言えない。

夜桜は近づくゴブリン達を払いのけながら戦うが、決して知能の高くないゴブリンは仲間の事も関係なく矢を撃ってくる者もいる。全力で捌いていく夜桜だが、捌ききれない矢が左腕と右足に刺さる。


「くっ。」


「ギャャャ・・・ギャ・・・ギャ・ギャ・・・・ギャ・・」


ゴブリン達は喜ぶようにして飛び跳ねている。左腕と右足に刺さった矢を抜き取る夜桜。

「がはっ」


【ボトッ】【ボトッ】【ボトッ】【ボトッ】


傷口から血が滴り落ちる。そして、ゴブリン達はここぞとばかりに夜桜に攻撃を仕掛ける。

次々に襲い掛かるゴブリン達。後方からは矢の嵐、高砂に当たらないようにすごい速さで捌くが、その都度左腕と右足から血が噴き出る。そして、ゴブリン達の猛攻撃で体のあちらこちらに矢がかすめる。


「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」


そんなことはお構いなしに最速で大剣を振り回し、矢を捌いていく夜桜。がしかし、ここで夜桜が態勢を崩し倒れてしまう。


【ドガッ】


「しまった」


倒れこむ夜桜に、一体のゴブリンが棍棒を振りかぶって夜桜を叩こうとする。


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!夜桜さんーーーーーーーーーーーーーーーー!」


「くっ」


ゴブリンの棍棒が夜桜の頭を触れようとした時、


「うらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


【ボッ-------------ン】


突如、振りかぶっていたゴブリンの頭が破裂した。胴体だけになったゴブリンが後ろに倒れる。何が起きたか分からない夜桜と高砂。そして、


「っしゃーーーーー!見たか糞ゴブリンども!」


夜桜と高砂は声のする方を見ると、そこには片足でゴブリンの胴体を踏みつけ、腕まくりをして力こぶを見せつける佐藤が居た。


「いやー、佐藤。お前よくゴブリンの頭を掴み、投げ飛ばせるな。俺は気持ち悪くて無理だわ。」


「あぁん!?おめーら根性ねーな!こんなこと余裕だろうが!それより見たか?俺様のコントロールを!ど真ん中のストライクだぞ!見たか?スゲーだろ俺様は!」


「まぁ、この距離から当てるのは見事だと思うが・・・。」


「これが元リトルリーグのエースの実力だ!」


ガハハハッと笑っている佐藤。その周りには、夜桜のクラスメイト達が居る。


「み、みんなどうしてここに?それに佐藤君まで・・・。」


「ガハハハッ。ダセーな夜桜!それでも主席入学かよ。おめー、実は相当弱いんじゃねーか?」


「いや佐藤、よく見ろよ夜桜の周り。ゴブリンの死体が山ほどあるぞ?それにここには、あの2人しか居なそうだぞ?それに、1人は中等部だろ?まだろくに戦えないだろ。ってことは、ここにあるゴブリンの死体は夜桜1人で倒したんじゃねーか?お前あれだけのゴブリン1人で狩れるのか?」


佐藤は、辺りを見渡して静かに舌打ちをした。


「「紅葉!!!」」


「菖蒲。それに空木。」


椎名と相沢は、急いで夜桜の所へと走る。そして、夜桜に肩をかし、


「助けに来たよ、紅葉!もう大丈夫だからね!クラスのみんなで助けに来たから。」


「へへへへへっ!そーいう事!だから、夜桜はそこで休んでろよ!後は俺達が戦うからよ!」


「そうよ紅葉、あなたはそこで見ていてちょうだい。」


「みんな・・・・・・・。」


「よし!じゃ、みんなひと暴れしようじゃねーか!」


「って、何で佐藤が仕切ってんだよ。まぁ、いいけどよ。」


「行くぞーーーーーーーーーーーーーーー!」


「「おう!!」」


生徒達は、佐藤の号令と同時に動き出す。佐藤1人を除き、皆それぞれ孤立せずお互いをカバーしながら戦う。そして、見る見るうちにゴブリン達が倒されていく。


「紅葉さん・・・・・。あの人たちは?」


「ん?あの子たちは、私と一ノ瀬君のクラスメイトよ。」


「でもどうして皆さんがここに?学校はどうしたんですか?」


「さぁ?私はただ1人飛び出してきたけど、なぜみんなが来たのかは分からないわ。でも、このぶんなら平気そうね。今はみんなの言葉に甘えて休みましょう。」


「は、はい。」


クラスメイトの戦いを見ながら夜桜は考えていた。奴らは何処から現れたのか?いつまで続くのかと。夜桜は魔物達が扉の形をしたゲートから出てきていることを知らない。今、野外実習に参加している生徒で知っているのは、高砂達4人だけだ。そして、ここで夜桜が疑問を言葉に出して言う。


「奴らはいったい何処から湧いてくるのかしら。そしていつまで増えるのか・・・・・・ブツブツ」


それを聞いていた高砂が、何か思い出したかのように夜桜に話しかける。


「紅葉さん!そーいえば、この魔物達はあちらの方にある扉の形をした空間から出て来てました!」


「!?」


「それは本当なの?」


「はい、私の他に吉沢君達も見ています。間違いないです!」


「なら、その扉をどうにかすればこの戦いも終わるのね!」


「はい、そうだと思います。あれがある限りで続けてくるかと。」


「わかったわ!貴重な情報ありがとう。菖蒲、空木!ちょっとこっちに来てくれる?」


「!?」


突如夜桜に呼ばれた椎名と相沢。すぐさま戦いを中断して2人は夜桜の近くへと駆け寄る。


「どうしたの紅葉?」


「実はね、2人にお願いがあるの。私と一緒にあっちの方に行ってくれないかしら?百合ちゃんの話しだと、あっちの方角に扉の形をしたゲートみたいのがあって、そこから魔物が湧いてるみたい。だからそれさえどうにか出来ればこの戦いは終わるはずよ!」


「ゲートみたいなもの?それは確かなの?」


「はい、間違いありません。そのゲートから次々と魔物達が出て来てるの確認してますから。道案内で私も行きます。」


「わかったわ。じゃ、他に何人か連れて行くね。」


「百合ちゃんは私がおんぶしていくわ!どの道、その足じゃ歩けないでしょ?」


「え?お、おんぶですか?こ、これくらいの怪我なら、じ、自分で歩けます・・・・・。」


「いいじゃない百合ちゃん!私にお姉ちゃんやらせてよ!夢だったのよ、妹の面倒をみるの!私1人っ子だから、一度は年下の女の子をおんぶしたいの!理想は、疲れて寝ちゃった妹をおんぶする事なんだけど!」


「え!あ!い、いや。わ、私重いですし、それに紅葉も怪我してるじゃないですか。」


「私の怪我なんて大したことないわよ!ほら、いいから早く!早く!」


「え、で、でも・・・・」


「百合ちゃんって言ったかしら?もう、こうなった紅葉は誰にも止められないの。諦めなさい。」


「そうね。やるって決めたら絶対にやる子だからね・・。」


「う・・・・うう・・じゃ、お願いします。」


諦めて夜桜の言われるがままにおんぶされる高砂。


「は、恥ずかしい・・・・・・・・。」


こうして、夜桜達は問題のゲートへと向かうのであった。

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