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Numbers  作者: 雨のち晴れ
最悪の野外実習編

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どっちが化け物かわからねーな。

突如現れたnumbers1。真斗が倒れ、絶望的な状況の中に現れた一筋の光。この、最悪ともいえる状況を覆すことが出来る人物。numbers1の実力とはどれほどのものなのか?無事に、B班は学園に帰ることが出来るのか?最悪の野外実習編いよいよクライマックス。

栞菜の冷めた視線に魔物達は何かを覚悟した。それは死である。魔物達は栞菜の殺気に臆していた。今まで見てきた人間の誰よりも恐ろしい殺気。俺達はここで死ぬのだと覚悟した。

そして、1匹のゴブリンがその場から逃げようとしたその時、ジャイアントオーガは逃げようとしたゴブリンを叩き潰す。握られていた棍棒はゴブリンの血が滴り落ちる。


【グシャ】


「ガァアァァァアァァァアアアァアアアアアアア」


逃げ出そうとしたゴブリンの後を追うかのように走り去ろうとしたゴブリン達の足が止まる。ジャイアントオーガは、敵を前にして逃げ出すゴブリンが許せなかった。「戦士ならなぜ戦わずに逃げる?」と目が訴えている。


「ほぅ。貴様はやる気満々だな。その覚悟だけは認めてやろう。だが、お前の未来は死だ。それだけは忘れるな。」


栞菜の言葉に反応したのか、ジャイアントオーガが栞菜に向けて突進してくる。ゴブリン達もジャイアントオーガの後に続く。


「「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアア」」


ジャイアントオーガは棍棒を栞菜に向けて全力で振り下ろす。単調なジャイアントオーガの攻撃を栞菜はいとも簡単に躱す。躱したところで今度はゴブリン達も栞菜に攻撃を仕掛ける。


「ギャャャャャャャギャギャァァァァァァ」


numbers1の栞菜にしてみればそんなゴブリン達の行動はお見通しで、カウンターを仕掛ける。


【ザシュ】【ザシュ】【ザシュ】【ザシュ】


いくつものゴブリンがその体を真っ二つにされる。そんな栞菜を見たジャイアントオーガは、周りのゴブリン達など関係なく吹き飛ばしながら栞菜に次の攻撃を仕掛ける。振り下ろされた棍棒は大きな音を立てる。


【ガキーーーーーーーーーーーーーーーーーッン】


栞菜は自分の何倍もあろうジャイアントオーガの攻撃を刀一本で受け止める。その瞬間辺り一面、物凄い爆風が吹き荒れる。栞菜の戦いを見ていた生徒達が悲鳴をあげる。


「「きゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ」」


「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」」


栞菜は余裕の表情でジャイアントオーガに語り掛ける。


「お前の全力はこの程度か。まったく、この程度の魔物に(おく)れを取るとは私の婚約者(フィアンセ)もまだまだね。」


「す、すげーぞ。これがnumbers1の実力かよ。これじゃ、どっちが化け物かわからねーな。」


栞菜は、ジャイアントオーガの攻撃を受け止めながら暴言を発した男子生徒を見ながら言った。


「何か言ったか小僧?」


「あ!?い、いえ。な、何も言ってません。」


「次、おかしなこと言ったら魔物事お前を斬るぞ。」


「は、はい。すみません。」


暴言を吐いた男子生徒の周りに居た生徒達がその男子生徒の頭を殴る。


【ゴンッ】


「いてっ!何すんだよ!?」


「馬鹿野郎!お前はそんなに死にたいのか?普通、そんな事言わねーぞ!」


「そうよ!栞菜先輩は、私達の為に戦ってくれているのよ?そんな人にあんたって奴はなんてこと言うのよ!バカじゃないの!!」


「だ、だってよぅ・・・・・・。」


「うるさい!あんたは喋るな!」


【ゴンッ】


男子生徒に続き女子生徒にも小突かれる。


「~~~~~~~~~~~~~~~~」


男子生徒は、殴られた所に手をやりその場に屈む。その間も、栞菜とジャイアントオーガは戦いを続けていた。


【ガキンッ】【ガキンッ】【ガキンッ】【ガキンッ】【ガキンッ】


「ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」


自分の攻撃が全く当たらず苛立つジャイアントオーガ。徐々に攻撃が荒くなる。


【ガキンッ】【ガキンッ】【ガキンッ】【ガキンッ】【ガキンッ】【ガキンッ】【ガキンッ】


そんなジャイアントオーガの攻撃を全て受け流している栞菜が「どうした?一発も当たってないぞ?」とニヤけながら煽る栞菜。


「♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪」


【ブチンッ】


完全にキレてしまったジャイアントオーガが空に向かって咆哮をあげる。


「ゴァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」


「!?」


ジャイアントオーガはニヤニヤと栞菜を見る。栞菜は凡その想像はしていた。自分だけでは勝てない相手が居る場合の魔物行動を。そして、


【ドドドドドドドドドドドドドドドドドッッッッッッ】


遠くの方からこちらに向かって何かが集まってくる。木をなぎ倒し砂埃が遠くの方で舞う。音の方を見て栞菜は移動する。


「なるほど。仲間を呼んだか。自分だけでは勝てないと思っての事か。だがな・・・・・。」


徐々に音が近づいてくる。


【ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ】


栞菜は刀を鞘に納め、腰を低くして抜刀術の構えをする。


「ふぅ。」


そして、一呼吸おいて刀を鞘から振り抜く。


【ズバンッ】


刀は空を切る。そして近づいてくる音が鳴りやみ、その後すぐに木々が倒れる音が遅れてやってくる。


【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】【ドガッ】


「悪いわね。あなたが呼んだお仲間さんはもう来ないわよ。」


「!?」


何が起きたか分からないジャイアントオーガはただ立ちすくむ。


「さて、そろそろお終いにしようかしら。うちの婚約者(フィアンセ)を医療班に見せたいからね。そーいう事だからバイバイ。」


【カチャッ】


【ゴロンッ】


栞菜が、刀を収めたと同時にジャイアントオーガの首が地面に落ちた。生徒達も何が起きたのかは誰も分からない。気が付けば遠くでしていた音が止み、木々が倒れ、挙句の果てにはジャイアントオーガの首が地面に転がっていた。


「おい。今、何が起きたんだ?」


「・・・・・・・・・・知らん」


「誰か説明頼む。」


「ただ言えることは、これでやっと終わった?って事か?」


「多分・・・・・。」


「「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」


「俺達、生き残ったぞ!!!!」


「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「あー、急に疲れが出てきた。帰って寝てぇーー」


「そうね、早く休みたいわ」


生徒達が喜びを嚙みしめる中、ただ2人の生徒、吉沢と青柳は素直に喜べなかった。なぜなら、2人を助けた高砂だけが1人、まだ合流していないからだ。


「まだだ!まだ終わっちゃいない!」


「「「!?」」」


他の生徒達は知らない。今も1人、魔物達と戦っているかもしれない高砂の存在を。吉沢は、悔しそうに唇を噛みしめゆっくり話し始める。


「まだ終わっちゃいないんだ。高砂がまだ1人魔物達と戦っている。助けに行かないと。」


「何?確かに高砂の姿だけ見えないな?」


「高砂は、俺と青柳を魔物達から逃すために囮になった。まだここに現れないという事は、まだどこかで魔物達と戦っているに違いない。戦うと言うより逃げるか・・・・。」


「逃げる?」


「ねぇ、誰か高砂のイリュージョンウェポンって見たことある?」


「いや、ないな。試験の時は居なかったからな。」


「でもさ、吉沢と青柳を逃したって事は相当強いんじゃないか?それこそ、姫崎や九条のように。それなら、今頃魔物を倒しながらこちらに向かっているんじゃないか?」


「そうね。高砂さんが来るまでここで待ちましょう。」


「違う!違うんだ!」


「おいおい、何が違うんだ?お前達を逃したんだ、それだけ自信があったんだろうよ!何も心配することないじゃないか?」


「高砂は・・・・。高砂は戦う術を持っていない。」


「へ!?」

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