予想だにしなかった出来事 【高砂視点】
B班から距離をあけ後ろを歩く高砂、吉沢、青柳、高橋。やる気なさそうにしていた吉沢だが、とあることを切っ掛けにやる気が満ち溢れる。そんな4人だがこれから起こるであろう地獄に一歩踏み出してしまう。果たして、高砂達を待ち受ける運命に4人はどう立ち向かうのか。
【A班、B班が魔物達に囲まれる15分前】
B班の隊列から数メトール離れた所に高砂、吉沢、青柳、高橋の4名は居た。現在、B班の最後尾には高砂が歩いている。
「チッ!何が魔物が出たらnumbersに任せろだ。俺だって魔物の1体や2体倒せるぜ!くそっ!ムカつくな!」
「まぁ、まぁ、吉沢、そんなに怒るなよ!そりゃぁ、俺だって魔物の1体や2体ぐらい楽に倒せる自信があるぜ!」
「自信があるじゃなく、確実に倒せんだよ!俺はなっ!お前らと一緒にするな!」
「お、俺らだって倒せるよな、高橋!」
「え!?あ、う、うん。そうだね・・・・・。」
「相変わらずヘタレた声出してんじゃねーぞ高橋!」
「え、う、うん。ごめん吉沢君。」
「チッ!」
「ところでなぁ、豪!いいのかあいつほっておいて!幼馴染なんだろ?」
青柳がそう言って高砂を指さす。
「あぁ、いいんだよ!あんなのろまほっておけ。どうせ魔物に襲われてもすぐ死ぬし、迷子になったらなったで魔物に食われて跡形も残らねーだろうしな。」
「ははははははははっ!ちげーね!」
「た、高砂さん大丈夫?調子悪い?」
「え!?う、ううん。何ともないよ。平気だよ。」
「そっか。ならよかった。」
「てめー高橋!何そんな糞みてー奴と話してんだよ!死にてーのか!?あぁん!?」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ。ご、ごめん。」
高橋は、吉沢に怒鳴られ慌てて吉沢の元へと走っていく。
【ガサっ】【ガサっ】【ガサっ】
何か近くで物音がしたことに気が付いた青柳が、
「おい、豪!何か近くに居るぞ!」
「何!?本当か!ついに出てきたか魔物ども!この俺様が切り刻んでやる。」
音がした方に歩いていく青柳、吉沢、高橋、高砂。見つからないように腰を落とし、慎重に近づいて行く。そして、目にした物はまさにゴブリンだった。
「ひぃっ」
魔物に驚いた高砂が思わず声を出してしまう。
(うすせーぞ、このポンコツ野郎!ビビッて声出してんじゃねーぞ!)
ゴブリンは、高砂の声に反応して周りを見渡す。だが、青柳達の姿を確認できていないゴブリンは「気のせいか?」とばかりに、何やら指示様なものを出している。その様子を、黙って見つめる4人。するとそのゴブリンは、ある方向へと歩き出す。
「おい、豪!どうすんだよ!?numbers様に報告するか?」
「バカ言え!そんなことするかよ!あいつの後をついていくぞ!何か面白そうなことが起こるかもしれねーからな!」
「豪君、止めようよ。ちゃんと漆様に報告しよう?」
「何が、「漆様に報告しよう?」だ!バカなんかテメーはよ!」
「で、でも・・・・・・・。」
「だったらテメー1人で行けや!俺達はあいつの後を追う!行くぞ、青柳、高橋!」
「おうよ!」
「え!?あ、う、うん」
そう言って吉沢達はゴブリンを追いかけていく。この後悲惨な出来事が起こる事も知らずに。
「ちょ、ちょっと、待ってよ、ねぇってば!」
渋々高砂も吉沢達の後を追う。ゴブリンの後を追い始めて5分。吉沢達は、とんでもない物を目にする。そこに広がる光景は、そこにあるはずのない扉から魔物達が次々と出てくる。魔物達はその後、二手に分かれて移動を開始する。
「な、なぁ、ご、豪。あ、あ、あ、あれはさすがにやばくねーか?」
「あぁ、そうだな。これはさすがにやばいな。何であんな所にわけのわからねー扉があるんだよ。それに出てくる魔物の数が止まらねーぞ。」
「高橋、デバイス持ってるか?持ってるなら出せよ!」
「う、うん。ちょ、ちょっと待ってて・・・・・・。って、無い!あれ!?ちゃんと持ってきたはずなのに。ど、何処かで落としたみたい。」
「はぁ、とことんつかえねーな。青柳は持ってるか?」
「俺が持ってる訳ねーだろ!あんなもの必要ねーからおいてきた。そういう豪は持ってねーのかよ!?」
「俺のはあるにはあるが、どうやらぶっ壊れているみてーなんだよ。GPSがかんばしくねーんだ。ほれ。」
吉沢のデバイスをみる4人。確かに、画像が乱れていてうまく機能していない。
「あ、あたし持ってる。ちょっと待っててね。」
「チッ!おめーら2人は、こんなポンコツよりつかえねーのかよ!バカなんじゃねーのか!?」
慌てて自分のデバイスを出す高砂。そして、GPSの画面を出してみる。しかし、高砂のデバイスも吉沢よりかは少しはましだが画面が乱れている。
「私のもダメだね。でも、時々映るけど何処かに向かって歩いている感じだよね?これ。」
「あぁ、そうだな。えーっと、この方向はと・・・。」
「こ、これって、A班とB班の方に向かってない?」
「マジかよ!いくならんでも、この数相手じゃnumbers1人では無理じゃねーか!?それに、足手まといの生徒達も居るし。」
「ど、ど、ど、どうしよう。」
「こりゃ、戻るしかなさそうだな。」
「そ、そうだね。戻って報告した方がいいかもね。」
「高橋、俺のデバイスを預けるからお前は高等部か、中等部に行ってこの事をセンコーに報告しろ!俺達は、このままB班に合流する」
「わ、わかった。」
「よし行くぞ!」
各自走りだそうとして後ろを振り向いた時、そこにゴブリンが1体立っていた。ゴブリンは、ニヤニヤしながら青柳に襲い掛かる。とっさの事で青柳は反応出来ず、ゴブリンの攻撃をもろに食らう。
「ぐはっ」
【バタッ】
頭を殴られ流血し、強い衝撃をうけた青柳は脳震盪を起こしてしまい、うまく立てない。
「青柳!!!」
「青柳君!」
「ギャャャャャぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああ」
ゴブリンは奇声をあげ、他の仲間に知らせる。するとたちまち吉沢たちの元へと集まってくる。
「くそっ!高橋、お前だけでもどうにか行け!百合、お前も高橋と共に行け!ここは俺に任せろ!」
「えぇ、吉沢君1人じゃ無理だよ!」
「うっせーな、高橋!早く百合を連れてこの場から離れろ!これは命令だ!」
「わ、わかった。い、行くよ高砂さん。早く」
「え!?でも・・・・・・・・。」
「行け、百合!お前も死にてーのか!高橋!強引に連れていけ!」
高橋は、高砂の手を取り学園に向かって走り出す。高砂は、腕を引かれながら吉沢達をみる。あの数の魔物相手じゃ多分、二度と会えないだろうと分かっていたのだ。
「さーて、いっちょ殺りますか、イリュージョンウェポン!」
吉沢は自身のイリュージョンウェポンの鎌を構築する。脳震盪を起こしながらも、やっとの思いで立つ青柳。
「な、何1人でカッコつけてんだよ!馬鹿野郎!何だかんだ言って、いつも高砂の事気にしてんじゃねーか!」
「うるせーなっ!はったおすぞ!」
「ったく、素直じゃねーなお前はよ!しゃーない、俺も付き合うぜ豪!」
「ったく、素直に死んだふりしてれば助かったってものを。」
「生憎、親友が目の前で殺されるのはちょっとな。んじゃ、イリュージョンウェポン!」
青柳も自身の六尺棒のイリュージョンウェポン出す。
「「よし、いくぜーーーーーーーー!」」




