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Numbers  作者: 雨のち晴れ
最悪の野外実習編

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予想だにしなかった出来事 【A班視点】

B班と別れ山に入る柊木A班。初めての魔物との遭遇で、クラスメイト達は慌ててしまう。そんな中、柊木はクラスメイトを落ち着かせ、皆の前で華麗に魔物を討伐する。それを見たクラスメイト達は、「すげー!さすがはnumbersだ!」「お、俺はビビってなかったからな!」「あんなにもあっさり」「私もあんな風に出来るかな?」などと柊木の活躍に皆声を上げる。そして、事件は起こる。

クラスメイトは山へと向かう道中、各自いろいろな話しをしていた。不安に駆られる者、期待に胸を弾ませる者、何の心配もせずに世間話をしてリラックスする者。そんな中、柊木のすぐ後ろを歩く楓だけは無言だった。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「ずいぶん落ち着いているな。」


一人落ち着きを放っている楓に柊木が話しかける。


「そうでもありませんよ。これでも、少しは緊張してます。魔物も、何回か出くわしたことがありますけど、いつも兄さんが居て倒してくれていたので戦ったのはあの時の一回だけです。」


楓の言うあの時とは、村が魔物に襲われ両親が死に真斗と初めて出会った時の事だ。


「あの時はすまなかった。私達がもう少し早く到着していれば、お前の両親も死なずに済んだかもしれないのに。」


「別に気にしていませんよ。本来なら、私はとっくに死んでいたはずです。それを、兄さんに助けられて今日まで生きている。それだけで十分です。」


とは言うものの、楓は何処か寂しそうな表情をして見せた。本当なら今頃、学園に入学できたことを両親は喜んでいたはず。そして、家族三人でお祝いだってしていたはず。それが村に魔物の群れが現れ襲われたことにより叶わなかったこと、今でもあの出来事さえなければと思っていた。


【A班が山を歩き始めて10分後】


鳥たちが一斉に音を立てて羽ばたいていく。


「皆、警戒しろ!念のためイリュージョンウェポンを構築してその場に止まれ」


生徒達はすぐさま固まって身を寄せ合う。いきなりの事で、生徒達は混乱していた。


「え!?何!?何なの!?」


「ま、魔物が、く、来るのか・・・。」


「まだ、全然進んでないのにもう出てくるの?」


「そ、そりゃ出て来るだろ。ここは魔物が出るから立ち入り禁止なんだしよう。」


「ど、ど、どうしよう。私まだ死にたくない。」


「死にたくなければ、早くイリュージョンウェポンを構築しろよ。いつ襲ってくるか分からねーぞ!」


何かが来ると感じた柊木はすぐさま双剣のイリュージョンウェポンを構築する。それを見て、楓も直ぐにイリュージョンウェポンを構築した。


【ガサっ、ガサっ、ガサっ】


前方の林のから、一体のゴブリンが出てくる。


「ギャャャャャャャャャャャャ、ギャ、ギャャャャャ」


「で、でたーーーーーーーーー!」


「ま、ま、ま、ま、魔物だ!!!」


【ドンっ】


「痛て!押すなよお前!」


「だ、だって。ま、魔物がでたんだよ!に、逃げないと。」


「何言ってやがる!たかがゴブリン一匹じゃねーか。それに、柊木さんがもう対応してるよ。」


「いいかみんな、慌てることは無い。相手はたかがゴブリン一匹だ。私が相手をするからよく見ておけ!」


そういうと柊木は、双剣を手に走り出す。一気にゴブリンとの距離を縮めてゴブリンの首を目掛けて攻撃する。ゴブリンの方も、殺されまいと柊木に向けて棍棒を振り下ろすが、柊木が速さで圧倒しゴブリンが棍棒を振り下ろすよりも早くその首を斬る。


【ザンっ】


ゴロンと音を立てゴブリンの首が地面に落ちる。頭を失ったゴブリンの胴体からは大量の血が吹き荒れる。


【ブシュュュュュュュュュュュ】


「どうだ!?一匹なら何の問題もないだろ?ここは、立ち入り禁止になってはいるが、魔物の数はそう多くはない。常に、私達numbersが管理していて魔物の数は調節している。」


柊木のあまりの速さに生徒達は何が起こったのか分からずにいたが、落ち着きを取り戻した生徒達は、


「すげー!さすがはnumbersだ!」


「お、俺はビビってなかったからな!」


「あんなにもあっさり」


「私もあんな風に出来るかな?」


など、柊木の活躍に歓声を上げる。


「みんなも、すぐにこれくらい出来るようになるさ!だから、魔物が出たら焦らず落ち着いて行動してくれ。徐々に慣れていけばそれでいい。」


「「「はーーーーーい」」」


「よし、もう少し進んだら一度休憩にしよう!」


この後も、数匹の魔物と出会うA班。だが、徐々に生徒達は慣れ始めて余裕すら出てくる。


【A班が山を歩き始めて1時間後】


A班一行は、視界の開けた場所へとたどり着く。この場所ははもともと休憩を取る場所とあらかじめ決まっていた。柊木と真斗があらかじめ下見をしていて、各班の休憩場所を決めていたのだ。


「よし、ではここで一度休憩を取る事にする。遠くには行くなよ!魔物も出るんだからな!その事を忘れるな。」


「「「はーい」」」


生徒達は、座り込み魔物との戦いの事を話している者、歩き疲れて大の字で寝転ぶもの、はたまたお腹が減り食べ物を食べ始める者、皆がくつろいでいる。

楓も他の生徒とその場にすわり、おしゃべりを始める。だがしかし、ここから予想だにしなかったことが起こる。


【シュッ】


【グサッ】


「え!?」


楓がすぐ近くの生徒の足に何かが刺さったのを確認した。


「ギャャャャャャャャャャャャャャャャャャ!い、痛てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」


何と、楓のすぐ近くのだ男子生徒の足に矢が刺さっている。すぐさま、奇襲だと理解した楓が、


「敵襲!」


と叫ぶ。その声に真っ先に反応した柊木が、


「なっ!」


「みんな集まれ!戻って来い!敵襲だ!」


楓の側にいた生徒達はパニックに陥る。


「きゃゃゃゃゃゃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「え!?え!?え!?な、何よ!何なのよ!何が起こっているのよ!」


悲鳴を聞いて遠くに居た生徒達は慌てて柊木の元へと走り始める。だが、その者へと攻撃を仕掛ける魔物達。無数の弓矢が飛んできて、数多くの生徒が負傷する。


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「た、助けてくれ!死にたくない!」


「な、何でこんなにいるのよ!数を調節してるんじゃなかったの?」


森の中から、数えきれないほどの魔物達が現れる。これには流石の柊木も声が出ない。


「な、なぜこんなに魔物が居る。ここまで出たことなど一度もないぞ。」


柊木一行は、負傷した生徒達を一か所に集め、負傷者を囲むようにして円形に陣を取る。そして、ここからが本当の地獄の始まりになる事を誰も知らない。

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