遂に始まる野外実習
いよいよ始まる野外実習。ほとんどの生徒が、今まで魔物と対峙することが無かったためいきなりの本格的訓練となる。魔物達の脅威を知ってもらおうと始まったこの実習。まさか最悪な結末で幕を閉じるなど、皆誰しもが思っていなかった。どうなる、野外実習。新章【最悪の野外実習編】スタートである。
雲一つない快晴で迎えた野外実習当日。クラスメイト達は校庭に集まり整列している。校舎の窓からは、すでに実習を終えた他クラスの生徒達が見ている。が、見ている視線の先は全て真斗に向いている。
「キャー!!漆様、こっち向いて!」
「漆様、私も参加していいですか?」
「何であんた達のクラスにだけ漆様が同行するのよ!そこのブス、私と変わりなさい!」
「そうよ、そうよ!不公平だわ!やり直しを要求します!」
など、主に女子から色んな意見が飛び交う。実は、他のクラスの時には真斗は同行していなかった。他のnumbersが担当して、それが物議を醸しだしている。真斗は、外野の声がうるさくてこちらの話しが聞こえそうにないので、一度校舎の方を向き両手を合わせて「ごめん」とばかりの姿勢を示す。すると、
「ブッハ・・・・」
【ドタッ】
「お、おい!こいつ興奮しすぎて鼻血だしながら倒れたぞ!誰か保健室に連れて行ってやれ!」
「い、い、い、今、漆様が私に向かってごめんって言ってた!それだけで幸せ・・・・・」
【ドタッ】
「こ、こいつもだ。これじゃ、いつか死人が出るぞ!何とかしろ!」
「あー、もう私いつ死んでもいい・・・」
【ドタッ】
クラスの女子生徒達が、次々と自分に向けた謝罪だと勘違いして倒れ始める。
【ドタッ】【ドタッ】【ドタッ】【ドタッ】【ドタッ】
「だ、ダメだ!女子生徒を窓から離せ!このままじゃ、取り返しのつかない事になる。」
見る見るうちに、窓ガラスから校庭を見ていた女子生徒の数が減っていく。そんな事は露知らず、柊木が話しを進める。
「みんな揃っているな!?」
柊木が生徒達に向けて点呼を取って確認する。無事、全員居ることを確認すると、
「これから、班分けを発表する。私がA班、numbers7がB班だ。呼ばれたものは私かnumbers7の所に整列しろ。いいな!」
「「「はーい」」」
「た、頼む!漆様の班!お願い!」
「お、俺はA班が良い!頼む・・・・」
「漆様・・・・・。」
そして、柊木が生徒の名前を呼び始める。
「やったー!私、B班だ!」
「わ、私も!嬉し過ぎて死にそう。」
「あーーーーー。俺はB班だ。A班希望だったのに・・」
「何よ!じゃ、あたしと変わりなさいよ!私はB班が良かったのよ!」
「あーーーー、私もA班だ。誰か変わって!」
「おい、お前等!勝手な班替えは禁止する!破ったものは停学だ!いいな!」
あーじゃない、こーじゃないと言ってる生徒達に向けて柊木が大声を上げる。
「続いて、姫崎楓。A班」
「はーい。(チッ、兄さんと離れたか・・・・)」
「九条椿、B班」
「はい!(や、やった。真斗さんと一緒の班だ。何かすごい殺気を感じるけど。)」
「高砂百合、B班」
「は、はい。(漆様と一緒だ。う、うまくやらないと)」
「吉沢豪、B班」
「へーい」
「以上だ!名前を呼ばれていないものは居ないか?居たら、手を挙げてくれ」
クラスメイト達は、それぞれ周りを見て確認する。どうやら、全ての生徒が呼ばれたみたいだ。
「よし、居ないみたいだな。ではこれより現地に向かう。一応念のために、各自イリュージョンウェポンを直ぐに出せるように準備しておけ。森の中ではいつ何が起こるかもわからん。」
「はーい」
こうして、楓達の野外実習が幕を開ける。この時はまだ皆、この実習が最悪な形で終わることなど知る由もなかった。




