真島との決着後一ノ瀬家にて
この世界は、魔物が蔓延る世界である。故に魔物と人類の争いが幾度となく繰り広げてられている。そんな世界で、人類は対魔物に対抗する手段としてイリュージョンウェポン(幻想武器)を神から授かるのであった。しかしそれは成人になるまでの子供たちのみ授かる事許されており、成人を迎えた者は自然と使えなくなる。マナという能力により創り出され、各々が創造する物一つだけ与えられる唯一の対魔物に特化した武器である。全ての子供が創り出されると言うわけでもなく、何かしらの力が働いて創り出されるもの。その何かしらの力と言うものは未だに解明出来ていない。そんな中で今日もまた一人の少年が理不尽なこの世界で必死に生きているのであった。
時刻は夕暮れ。
真島との問題が片付き家に帰ってきた真斗。
「ただいまー。」
「お帰りお兄ちゃん!ご飯にする?お風呂にする?それとも、か・え・で・?ちなみに、ご飯もお風呂も用意してないから、必然的に楓になるんだけど!」
「何だそれ!選択肢があるようでまるでないじゃないか。」
「チッ、チッ、チッ!甘いぜ、マイブラザー!楓という選択肢が残っているではないか!さぁ、言いたまえ!【楓にすると】!」
「いや、その選択肢が一番無いのだが。」
「あーん!酷い!兄さんが意地悪する!何とか言ってよ、紅葉さん、椿ちゃん、百合ちゃん!」
「いやー、楓ちゃんの選択肢は絶対ないでしょ。」
「うん、うん!絶対にないね!椿という選択肢はあるけど!」
「あ、あ、あの・・・・・」
そこには、リビングの椅子に腰かける夜桜と、椿、それから高砂百合がいた。
「今日もずいぶんと皆さんお揃いで・・・・・。ん?」
「おやおや、やっと気が付いたかいマイブラザー!」
「えーっと・・・。君は?始めて見る子だけど?」
「あ、はい!高砂百合と申します。姫崎さんと九条さんの同じクラスでして・・・・。よ、よろしくお願いいたします」
真斗は、高砂を助けた時は仮面を被っていたので正体はばれてないのであえて知らないふりをした。
「そうか、いつも楓がお世話になってるね。」
「い、いえ。姫崎さんとはあまり話したことが無くて。」
「どちらかというと、私より椿の方のが仲がいいかな。」
「そ、そうだったのか。なるほど。まぁ、何もないけどゆっくりしていってよ。」
「あ、ありがとうございます。で、お兄さんってあの高等部で有名な一ノ瀬さん本人なのでしょうか?」
「ん?有名?俺って中等部でも有名なのか?」
ここで、高砂は楓の前で言ってはならない事を口にしてしまう。
「え!?あ、はい。言いにくいのですが、すごく・・・よ、弱くて、試験が・・さ、さ、最下位だったとか・・・・。す、すみません。失礼な事言って。」
「あ!(真斗)」「あ!(夜桜)」「あ!(椿)」
「え!?(高砂)」
【カチャッ】
案の定、額に青筋を立てた楓がイリュージョンウェポン握っている。沸々とオーラを全開にして。
「た、高砂さん。世の中にはね言っていい事と悪い事があるの?そんな事も知らないのかしら?」
本気モードの楓を真斗と夜桜と椿の三人が慌てて止めに入る。
「まぁ、まぁ、まぁ・・・・・・」「ちょっ!落ち着いて楓ちゃん。家が壊れちゃうよ!」「た、高砂さんだって悪気があって言ったわけじゃないし。お、落ち着いて楓ちゃん。」
三人から止められて、正気を取り戻す楓。
「次に、兄さんを悪く言ったら許さない。兄さんは誰よりも強いんだから。その事は覚えておきなさい。」
「あ、は、はい。すみません。」
本気モードの楓を見て高砂はビビってしまっている。
「そ、そうだ!みんな何か飲むか?の、喉が渇いただろ・・はははははは・・・・・。」
「な、なら私も手伝うわ・・・・。はははははは。」
何とか場の空気を戻そうと必死になる真斗と夜桜。そこから一時間、やっとの事で場の空気が元に戻ると真斗は用事があると言って家を出る。
「ちょっと、頼まれごとをしてるから出かけてくるは!」
「こんな時間から?」
「え、ああ。ちょっとな・・・・。三人共ゆっくりしていってくれよ!じゃ、行ってくる。」
「まぁ、兄さんの事だから何か言えない事情でもあるんでしょう。時期に帰ってくるわよ。それより、今日の放課後の出来事を教えてくれる?」
「そうだね。その為に楓ちゃんに会いに来たんだから。」
高砂は、放課後の出来事を事細かに楓に伝えた。その後、ここにやってきた目的も。椿は、高砂に楓ならきっと力になってくれると話したのだ。
「なるほど。わかったわ。そーいう事なら私も力になってあげる。でもいい、いくら私がnumbersの人たちと関りがあるからって極度の期待はしないで頂戴。私にも立場ってものがあるからね。」
「う、うん。わかった。ありがとう。」
「じゃ、今日は私達もう帰るね。相談に乗ってくれてありがとう。」
「別にいいわよ。」
「あらあら、素直じゃないね。楓ちゃんは!」
「うるさいですよ、紅葉さん。」
「あーこわい。じゃ、私もそろそろ帰ろうかしら。一ノ瀬君帰って来なそうだし。この子達は私が送っていくわ。」
「そうですね。よろしくお願いいたします。」
こうして、三人共一ノ瀬家を後にした。




