学園長
この世界は、魔物が蔓延る世界である。故に魔物と人類の争いが幾度となく繰り広げてられている。そんな世界で、人類は対魔物に対抗する手段としてイリュージョンウェポン(幻想武器)を神から授かるのであった。しかしそれは成人になるまでの子供たちのみ授かる事許されており、成人を迎えた者は自然と使えなくなる。マナという能力により創り出され、各々が創造する物一つだけ与えられる唯一の対魔物に特化した武器である。全ての子供が創り出されると言うわけでもなく、何かしらの力が働いて創り出されるもの。その何かしらの力と言うものは未だに解明出来ていない。そんな中で今日もまた一人の少年が理不尽なこの世界で必死に生きているのであった。
楓に言われた通り、その日の放課後に真斗は顔バレするのを恐れ顔には仮面を着けnumbersのコートを身に着け中等部にやってきた。すると瞬く間に自宅に向かうために校門の所に居た中等部の生徒達が騒ぎ始める。
「ねぇ、ねぇ!あれってnumbersじゃ唯一正体がわかっていない漆様よね?」
「あっ!ほんとだ!何て日なの今日は!!こんな近くで見ることが出来るなんて幸せ!」
「キャー―――!漆様!こっち向いて!!」
「漆様、素敵!!!!!!」
「漆様、お仕事ですか?いつもご活躍伺っております!頑張ってください!応援してます。」
など、女子生徒達から黄色い声援が飛ぶ。真斗は中等部からも絶大の人気を博していて、女子たちは中二病が多いのか、numbers7ではなく、numbers漆(なな=セブン)と呼んでいる。そんな中、
「ケッ!何が漆~様だよ!ふざけやがって!少し強いからってイイ気になってんじゃねーぞ!」
「そうだ、そうだ!この垂らし!どっか行け!」
「おめーの顔なんて見たくねーんだよ!失せろ!」
「おいおいお前達、何をそんなに漆様に嫉妬してんだよ!みっともないぞ!」
「そうよ!あんた達が弱いからって僻むんじゃないわよ。最低!ほんとダサい。」
「あぁ!?何か言ったか?糞中二病女子が!」
「ダサいって言ったのよ!漆様の足元にも及ばないくせにあんた達がそんな事言えた立場なのかしら!」
「なんだと!」
「なによ!本当の事じゃない。」
「うるせー!俺だって直ぐにあんな奴より強くられるんだからな!」
「はんっ!どの口が言ってんだか!あんたには一生かかっても漆様には追いつけないわよ!」
「くそーーー!好き勝手言いやがって!」
など、男子生徒の大半からは女子生徒から人気があることにより僻まれる真斗であった。
(うわー。喧嘩始まっちゃったよ。どうしよう。助けてくれ楓。)
「ヘックチュ!誰か私の噂してるわね。お兄ちゃんかな。」
真斗はこれ以上喧嘩の規模が大きくならないように足早に校門を後にした。そして、楓に呼び出された場所にいくとそこには楓の他に椿も居た。
事の顛末を二人から聞いて時間が無いという事なので、さっそく進路相談室に行くことにした。もちろん、二人は同行しない。
一応椿には、高砂を助けた後に一緒に居てもらうよう進路相談室のすぐ近くに居てくれと言ってある。真斗は進路相談室に着くといつ踏み込むかのタイミングを見計らっている。そしてついにその時が現れる。
真島が高砂を襲おうとした時にドアをぶち破り教室へと入っていった。その後は、真島を拘束して高砂は椿に任せ真斗は真島を連れて学園長の部屋へと向かった。そしてその道中、
「おい、見ろよ!あれ真島じゃねーか?」
「あ!本当だ!何であいつぐったりしてるんだ?ってかさ、気絶してね?それにあれってnumbers7だよな?」
「あぁ。どうやら真島が何かやらかしたんじゃねーか?じゃないと、あいつが気絶して連れられてる意味が分からん。扱いがすごい雑だし。」
「いい気味よ!あいつ、初日から私達女子生徒をいやらしい目で見てたし。」
「そうよそうよ!あたしなんか、デバイスの番号まで聞かれたんだから!ほんとキモイったらありゃしない!」
「うぇー。マジかよ。そりゃ災難だな。」
などと、真島の印象は生徒達の間では入学早々最悪なのであった。
(チッ!つかえねーセンコウだな。これじゃ、俺の計画が台無しじゃねーか。まぁ、まだ桜子が居るし他の教員も買収すればどうにでもなるか。)
「さてと、こいつを学校長の所へ連れて行きたいが何処に居るかな?素直に学園長室に居てくれるか?ちと、生徒に聞いてみるか。」
真斗は、辺りを見渡す。そして、真斗の事を写真に収めている女子生徒に話しかける。
「ちょっとそこのお嬢さん少しいいかな?」
真斗は、すぐ近くに居た真斗の事を写真に収めていた女子に話しかける。
「え!?あたし!?あたしですか?え!?う、うそ・・・。漆様に私話しかけられちゃった。あぁ、し、幸せ・・・・。もう死んでもいい・・・・・・。」
【ドサッ】
事もあろうことか、真斗に話しかけられた女子はあまりの嬉しさと興奮のあまり気絶してしまった。
「なっ!?うそ!?マジかよ。き、気絶しちゃってる??ど、ど、どうしう・・・。」
すると、一人の男子生徒が話しかけてくる。真斗は気が付いているがすごい殺気を放っている。
「よう!numbers7様!何かお困りか?」
「あぁ!君は?」
「俺か?俺は吉沢豪って言うんだ。よろしくな!」
「吉沢君か。ありがとう。実は、学園長に会いたいけど何処に居るか分かる?」
(こいつ、俺の殺気に気が付いているはずなのに気づかないふりしてやがる。チッ。ムカつく野郎だぜ。)
「学園長か!?あいつなら、今日は大人しく学園長室に居るはずだが。」
「そうか!助かったよ、吉沢君。ありがとう。」
(学園長の事をあいつ呼ばわりか。中々めんどくさそうなのが居るんだな中等部にも。後で楓と椿にも伝えておくか。)
こうして、真斗は吉沢の言う通り学園長室に向かう。
【トンっ、トンっ】
真斗が学園長室のドアをノックすると中から、若い男の声がする。
「はーい。開いてるよ!」
「失礼します。学園長久しぶりです。一ノ瀬です。」
「おや?またずいぶんと珍しい人が訪ねて来たね?今日はどうしたんだい?」
「はい。中等部に害虫が混ざっていたので捕まえてきました。こいつです。」
真斗は気絶している真島を差し出す。
「真島先生?この先生がどうしたんだい?」
真斗は、事の顛末を学園長に話した。
「なるほど。真島先生は女子生徒を襲おうとしたと。そこへ妹さんから連絡を受けていた一ノ瀬君が捕まえたと。」
「はい。」
「わかった。真島先生の処遇は我々に任せてくれ。」
「よろしくお願いいたします。それと、もう一人怪しい先生が居まして。その人も警戒しておいてください。」
真斗は、もう一人の高砂に対して良い印象を抱いていない渡辺桜子の事も学園長に話しをした。
「わかった。そちらも警戒しておこう。」
「お願いいたします。では、俺はこれで失礼します。」
「もう帰っちゃうのかい?少しは君の活躍を聞かせてくれよ!」
「すみません。楓が家で待ってますので!」
「相変わらず君は楓ちゃんの事一筋だね。」
「はい。大切な妹なので。」
「大切な妹ね・・・・。本当にそれだけかい?」
「と、言いますと?」
「いや、いいんだ。気にしないでくれ。今日は助かったよ!早く妹さんの待つ家に帰るといい。」
「では、失礼します。」
真斗は学園長にお辞儀をして教室を後にする。
(姫崎楓・・・・真斗くん。君はやはり気が付いているのか。あの子の能力に。もし、彼女の力あちらにわたってしまったらこの世界が無くなるその事実を。)




