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Numbers  作者: 雨のち晴れ
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何でこうなる。夜桜枯葉視点其の2

この世界は、魔物が蔓延る世界である。故に魔物と人類の争いが幾度となく繰り広げてられている。そんな世界で、人類は対魔物に対抗する手段としてイリュージョンウェポン(幻想武器)を神から授かるのであった。しかしそれは成人になるまでの子供たちのみ授かる事許されており、成人を迎えた者は自然と使えなくなる。マナという能力により創り出され、各々が創造する物一つだけ与えられる唯一の対魔物に特化した武器である。全ての子供が創り出されると言うわけでもなく、何かしらの力が働いて創り出されるもの。その何かしらの力と言うものは未だに解明出来ていない。そんな中で今日もまた一人の少年が理不尽なこの世界で必死に生きているのであった。

一ノ瀬が教室から出て行った後、担任が話し始める。

えー、まず先にみんなに伝えておく事がある。今日、登校していない佐藤と一ノ瀬についての事だか。』


みんなが真剣に聞いている。


『とても言いにくい事なんだが、佐藤と一ノ瀬真斗は今日から一週間停学処分となった。』


クラス全体がどよめく中、夜桜達三人が声を揃えて、『はっ!?』と言った。


クラスメイトの反応は様々で、


【停学っていったい何やったのかなあ?】


【停学?雑魚すぎて退学の間違いじゃね?】


【あいつ、やっぱり馬鹿だわ】


【なんか、昨日二人が暴力事件起こしたらしいよ】


【暴力事件?あんなクソモブ雑魚が?】

【自分が弱い分かってて、喧嘩するとか、頭の中沸いてんじゃねーのか】


などと非難する内容ばかり。すると夜桜が、


『先生、ちょっと待ってください。一ノ瀬君が停学ってどういう事ですか?昨日の事件で一ノ瀬が何かまずい事でもしたのですか?そりゃ、イリュージョンウェポンを使ったのはまずかったと思いますが、あの人数では仕方ないと思います。』


一部のクラスメイトは、噂である程度は知っているが、そのまま帰宅した生徒の方が多いため、皆知らなくて当然である。


【おいおい、こりゃ本当にやべーな。】


【王都内でNumbersでもないのにイリュージョンウェポンはなぁ。】


【たかが喧嘩で血迷ってイリュージョンウェポンを使うとは・・】


『いやお前達が、最後にどうなったか分からないが、想像を絶するものだった思うよ。同じ男として、一ノ瀬のした事が絶対に許されるべきではないと思う!むしろ、禁錮刑でも良いくらいだ。』


夜桜は、担任の大袈裟な刑罰に関して疑問を抱きはじめた。


『先生、朝は動画見るのを拒否しましたけど、明らかに食い違いがあると思うので、動画を見せてください。』


すると、クラスメイト達も


【おっ!?動画があるのか?俺たちにも見せてくれよ】


【どんな動画だろう。気になる】


【なぁ、いいだろ夜桜?俺達にも見せてくれよ】


クラスメイトがそう言うと夜桜は、


【えぇ、構わないは!一ノ瀬君は何も悪くないって事を、この人数で講義すれば取り消してもらえるはず。さっ、先生さっさと見ましょう!】


一ノ瀬は何も悪くないと思い込んでいる夜桜達は担任をせかした・・・・のだが、


『本当にいいんだなっ!一ノ瀬だって、クラスメイト全員が動画の事を知っていると分かれば学園には来なくなると思うが。』


『平気です。明日には何もなかったかな様に学園に来ます。』


『そっか、わかった!では再生するぞ』


夜桜達の地獄へのカウントダウンが始まる。


【・・・・・・・・・・。】


クラスが静まり返るなか、一人の男子生徒が均衡をやぶる。


【がはははははは!何これ!最高だろ!一ノ瀬おもしろ過ぎだよ】

【うわぁ。。流石にこれは引くわ。って、引くってレベルじゃないな。】


【最低。助けに来た佐藤達をボコボコにして、夜桜さん達に手を出すなんて。】


【さぁ、お前達これから俺が一人ずつ犯してやるから覚悟しろよだってよ!すげーどんだけ変態なんだよあいつ】


【鬼畜。下衆。】


【しっかし、よくお前ら三人とも学校に来れたなぁ。あの後一ノ瀬にやられたんだろ?】


『・・・・・・・・・・。』


夜桜達三人は、ただただ呆然と立っている。あろう事が、真実をねじ曲げられた動画がクラスメイト全員に知られて、挙句の果てには犯されたにも関わらず、学園に何食わぬ顔で来てしまっている事に。


夜桜が怒りをあらわにする。


『先生!何なんですか、この動画は!?』


ここからしばらく夜桜と担任のやりとりが続く。


『何なんですか?言われてもなぁ、お前達が一ノ瀬に襲われた証拠の動画だが。』


『こんなの、全然違います!!むしろ逆で、一ノ瀬君が私達三人を佐藤君達に襲われそうになった所を助けてくれたんです、それに仮にこの動画が本当なら、私達三人はきっと怖くて学園を休んだでいます。そこまでメンタル強くありません。』


【おいおい、どっちか本当の事何だ?】


【そりゃ、もちろん動画だろ!動かぬ証拠じゃないか!】


【でもさっ、動画って簡単に書き換えられるって聞いたことあるよ!】


【あぁ、確か闇市場でそんなソフト売ってるって聞いたことある】


『じゃ、一ノ瀬君に聞いた時、彼は何て言ったんですか?こんな馬鹿げた動画、必ず否定はするはずです!』


『もちろん、先生だって聞いたさ、一ノ瀬だってそりゃ最初は否定したよ、でもなお前達も言っただろ?一ノ瀬の言う事が事実だと。一ノ瀬も、夜桜達に聞いてくれてってそりゃ言ったけど、お前達の意見を言った途端、事実を認めたよ。』


『はっ?何それ、馬鹿げてる。』


『お前達は、昨日の事を思い出したくないと言ってたよなぁ。その後すぐ、事実だと認めたよ。』


『・・・・・・・・・・・・・。』


ここまで説明されて、初めて夜桜達は気がついた。自分達がやってしまった過ちを。そう、それは


【一ノ瀬が否定して、私達に聞いて下さいと言ったけど、私達はそれを否定した。一ノ瀬的に、昨日襲われた事を思い出したくないのだろと思い、何があっても動画見ないだろう。なら、もうどうにもならないと諦めて停学を受け入れた。彼なりに無理矢理にでも動画を確認させるのは、昨日事がフラッシュバックするからそこまで強く押し通さなかったと。】


夜桜達は、完全に選択を誤った。


あそこで動画を見ていれば、最悪の事態は起こらなかった。


この後、夜桜達三人はクラスメイトに誤解だと何度も言い続けて、何とか誤解を解くのに成功した。


そして放課後、夜桜は一人で真斗の家に謝りに行くのだった。

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