何でこうなる。夜桜枯葉視点
『はぁー。結局昨日、一ノ瀬君にはちゃんとお礼言えなかったなぁ。今日あったらちゃんとお礼言わないと。』
夜桜枯葉はそんな事を考えながら外を見ていると、教室のドアが開き、学年主任の小川に呼ばれる。
『おーい、夜桜、椎名、相沢ちょっといいか?』
呼ばれた三人は、小川の所へ行き、
『何ですか?小川先生。』
『いやー、昨日放課後の動画が学園に匿名で送られて来て、それが事実なのかを確認してもらいたくてだなぁ。まぁ、内容が内容だから見なくてもいいんだけど。』
『すみません、先生。私達は昨日事を思い出したくはありません。申し訳ないのですが、一ノ瀬君に確認を取ってください。彼なら、その動画の内容が間違ってないとはっきり言うでしょう。』
取り巻き達二人も夜桜の意見に賛同した。
『そうだよなっ、あんな怖い出来事が起きた動画見たくないよな。すまん、力になれなくて。』
『いえ、構いません。』
そう言って、小川は教室から出ていく。私達は、席に戻り昨日の話しをしている。
『いやー、昨日の一ノ瀬君かっこよかったなぁ。ねぇねぇ、一ノ瀬君って彼女とかいるのかなぁ?あんなにかっこよくて、イケメンで、強かったら、モテモテだよねぇ。はあー、お近づきになりたい。』
そう夜桜が言っている横で、椎名が
『枯葉は、すっかり一ノ瀬に惚れ込んじゃったねぇ。確かに、オリエンテーションの時は最高に雑魚だと思ったのに、昨日の一ノ瀬見たら、そんなの一瞬で評価がびっくり返ったわ!』
『あの日の私を呪い殺したい。』
『そうだね、すごく強かったね!枯葉より強いんじゃないかなぁ。もしかしたら、Numbersだったりして!そりゃないか!仮にNumbersだったとしたら、中等部からNumbersだったってことになるからね!まだトーナメント行われてない!中等部の、Numbersなんて聞いたことないし。』
そう、相沢がいうと、夜桜が
『でもさっ、Numbers七だけが正体分かってないんでしょ?現れる時、いつもフード被ってて顔を見たことある人すごく少ないって聞くし。でももしかしたら、一ノ瀬君の実力なら。。。』
すると椎名が、
『そーいえばさ、小川が変なこと言ってなかった?あんな怖い出来事が起きた動画見たくないよなとか、内容が内容だからとかさっ。』
『確かにそんな事言っていたわね!確かに胸糞悪い事件だけど、私達を守ってくれてる一ノ瀬君の勇姿はもう一回見たいなぁ。』
『はっはっはっ、枯葉どんだけ一ノ瀬に依存してるんだよ!』
そんなことを笑いながら話しをしていると、チャイムがなりホームルームが始まる時間になり、担任が前のドアから入って来て、後ろのドアから一ノ瀬が入ってくる。
(あ!一ノ瀬君だ!今日もかっこいいなぁ。手を振ろうかなぁ。いやいや、まずは先に着いたら昨日のお礼言わないと。)
担任は、教壇へ、一ノ瀬は自分のバックを取り、再び後ろドアへ向かおうとしている。
(あれ?先に座らないの?何でバック持って出て行こうとするの?あー、まだ昨日の事件の聴取があるのか。ごめんね、一ノ瀬君。私達のせいで迷惑をかけて。せめて、手だけでも振ろう!)
夜桜は、必死に一ノ瀬をみた、そしたら、一ノ瀬が振り返ったので、小さく手を振る。椎名達も手を振る。すると、一ノ瀬が手を振りかえしてくれたので、夜桜は大袈裟にガッツポーズをした。
(っしゃーーー!一ノ瀬君の中で私の評価は間違いなく上がってる!嬉しい!嬉しい!嬉しすぎて死んでもいいくらい!)そういって、一ノ瀬は教室を後にした。
(ん?でも、最後一ノ瀬君の顔が引き攣っていたような気が・・・・。気のせいか。)
気のせいではない、この後すぐに夜桜、椎名、相沢の三名は絶望のどん底に叩きこれる事になる。