231 2025/7/3 夏痩せに 良しといふものぞ 鰻とり食せ
今日は万葉集から
痩せたる人を嗤咲へる歌二首
を紹介したいと思います。
石麻呂に 我もの申す 夏痩せに よしというものぞ 鰻とり食せ
(いわまろに われものもうす なつやせに よしというものぞ むなぎとりめせ)
痩す痩すも 生けらばあらむを はたやはた 鰻をとると 川に流るな
(やすやすと いけらばあらむを はたやはた むなぎをとると かわにながるな)
両方とも作者は大伴家持になります。
1首目の現代語訳は
「石麻呂さんに私は物を申し上げます、夏痩せによく効くといわれているものですぞ、鰻を獲って食べなさい」
2首目は
「痩せながらでも生きている方が良いでしょう、万が一鰻を獲ろうとして河に流れてはいけませんよ」
となるそうです。
この歌を贈られた石麻呂という人について『万葉集』には、本名を吉田老といい、教養がある立派な人物だったが生まれつきとても痩せていて、たくさん飲み食いしても飢えた人のようにやせ細った姿だった、と書かれています。
遠慮の無い内容から、よほど親しい間柄だったのだろうと想像され、「石麻呂にわれ物申す」や「鰻取り食せ」などと、あえてかしこまった言葉遣いをしているのも冗談めかした言い方で、二人の仲の良さがうかがえるんだそうです。
また大伴家持自身もどうやら痩せていたようで、万葉集の中に女性から「野菜を食べて太りなさい」と言われてる歌があり、現代で言う「お前が言うな」みたいな歌になるようです。
まあ太ってる方が痩せてる方にこんな歌贈ったら、控えめに言って喧嘩売ってますよねw
この歌を万葉集の編纂時に提出したのは石麻呂側だったという記録もあり、家持と石麻呂の仲が良かったエピソードの一つ、とも受けとれます。
以前、本来の旬は冬の鰻を、土用の丑の日に食べようと言ったのは江戸時代の発明家平賀源内で、売上が落ちる夏に鰻を売るための宣伝文句だった、なんて話をなんかで見た記憶があるんですが、土用の丑の日かどうかはともかく、奈良時代でも夏場の滋養強壮に鰻を食べる習慣があったことが分かりました。
しっかし、鰻ですか・・・ 高くて手が出ませんねw
だいたい土用の丑の日って毎年違う日だから気づくと終わってた、とかザラにあるんですよ。
ここ何年かはホント鰻食べてないです。
ちょっと調べてみたら今年は7/19と7/31の2回あるみたいで、どっちかで思い出せたらスーパーで買います、かね?
お値段次第ですw
あ、あといつもの如く読み仮名と現代語訳は他サイトからの丸写しですw
今回はこんなところで。
ではまた。




