退会
大切な人が退会した
作品もマイページも活動報告も
まるで幻であったかのように消えてしまった
あるはずのものが無いことの心細さや切なさに震える
けれど作品は消えても感想やコメントは消えない
交わしたメッセージや言葉までは
名前は消えても温もりは消えない
空欄になった部分を何度もクリックしてしまう
意味がないとわかっていても
淡い期待でかすかに残る残滓を指先でなぞるのだ
退会しても消えるわけではない
本当に消えるのは誰も記憶するものがいなくなったとき
だから私はここにいよう
あなたの残したぬくもりと交わした言の葉を抱きしめながら
ずっとここで待っていよう