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re:you  作者: 傾考
4/7

3

「この負の『理由』の痕跡は、そこそこの強さだよね、ユウリ」

 渦巻く霧の濃度、その量からしてイノの言うそこそこというのは正解だろう。多少の傷は覚悟して望むべく相手の可能性が高い。でもしかしーー

「放っておくという選択肢は……」

イノの顔を見る。瞳がキラキラと輝いてしまっている。自分が正義のヒーローにでもなったつもりでいる彼女は、ユウリにとって厄介だった。

「……ないよね」

「あったりまえだよ! さぁ、行こう!」

 イノは傘を放り出して、霧の残骸を追い始めた。放り出された傘を拾い、しっかりとたたみ、自分の傘も閉じた。二本の傘を持ってユウリも走り出す。ずぶ濡れになるのはもう構わなかった。

 イノに少しでも傷がついてしまうのを防がなければならない。彼女は大丈夫と言うが、彼にはそれが許せることではなかった。

 あの化け物たちに傷つけられたら、彼女の美しい存在が汚されてしまう。

 それだけは、絶対に許せなかった。

 血にまみれた、彼という存在にとっては。

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