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宴会が始まったけど大丈夫だよね?


神社に戻り、リュウに一部始終を説明した。

「とにかくみんな無事に帰ってきて良かったです。呪いもなくなって今日はなんていい日なんだ。やぁめでたい!さぁ、君たちも飲んでくれ。」

話を終えるとリュウは大喜びで、村中の人間をあつめて宴会を始めてしまった。

「いえ、私たちはまだお酒は飲めませんから…。」

勧められたお酒を私が断ると、お構いなしに注いできた。

「まぁいいじゃないか。あんたら15歳は超えてるんだろ?」

「えぇ、私はちょうど15ですけど。」

「ならりっぱに成人じゃないか。めでたい席なんだからまぁ一口だけでも飲んでくれっ!」

このあたりでは15歳で成人らしい。

「なら少しだけ…。」

断りきれず口にしてしまったことを翌日深く後悔するハメになることを今はまだ知るよしもなかった。


「勇者さんよ、あんたらには感謝しかない。長年の呪いからこの村を救ってくれてホントにありがとう。」

村人の一人が俺の手をとり何度も礼を言っている。

「いや、俺達だけじゃどうにもできなかった。マドカがよくやってくれたよ。ありがとな。」

俺がマドカの頭を撫でる。

すると、一瞬で俺の視界が上下逆転した。

「きゃ〜っ!!」

マドカに投げられたらしい。

するとマドカがすぐ駆けつけて頭をさげる。

「ご、ごごごめんなさいっ!!私、昔から男性が苦手で触れられると身体が勝手になげとばしちゃうんです!」

「そうだったのか。いや、俺が悪かったよ。つい妹のノリでやっちまった。」

俺がマドカに答えると、急に誰かに抱きつかれた。

「お兄ちゃ〜んっ!私の頭もナデナデしてくださぁい。チュウでもいいですよ〜。」

見るとほのかが顔を近づけてきた。

「ほのかっ!?うわ、酒くさっ!!お前酒飲んだのか!?とにかく離れろって!!」

離そうとするとますます強く抱きついてくる。

「いいじゃらいれすか〜。チュウしましょ〜。」

「ほのかダメだって!おい、ミンティア助けてくれっ!」

近くにいたミンティアに助けを求める。

「もう、しかたないわね。」

そう言ってミンティアがほのかの額に触れた瞬間、ほのかは眠りに落ちた。

「これで朝までは起きないわ。」

「サンキュ、俺はほのかを寝かしてくるよ。」

ほのかを抱き上げ、布団に運ぶ。

リアはすでに布団で寝ていた。

「さあさあ勇者さんもこっちきて一緒に飲もうじゃないか。」

ほのかの寝顔を見ていたらリュウに連行されてしまった。

「さあまずは1杯!」

リュウが酒を注ぐ。

「じゃあ少しだけ…。いただきます。」

時々親戚の集まりで無理やり飲まされいるので未成年ながら酒には強い方だ。

「おっ!いい飲みっぷりじゃないか。どうだい、マドカの婿になりませんか?」

酔ったリュウがとんでもないことを口にした。

「お〜、いいじゃないか。勇者さまと巫女姫様ならお似合いだ。」

他の村人も乗り気だ。

「ブーっ!ゲホっゲホっ!」

思わずふきだしてしまった。

「お父さんっ!!」

マドカが叫ぶ。

「いや、俺はまだそういうのは…。それにさっき投げ飛ばされたばっかだし。」

「まぁそう言わずに。我が娘ながら美人だと思うんだけどなぁ。」

「お父さんっ!!いいからこっちきて!!」

マドカがリュウを連れて行ってしまった。

そんなこんなでその日は遅くまで宴会が続いたのだった。


翌朝、私はひどい二日酔いに悩まされていた。

「う〜、頭が痛いです〜。」

「まったく。飲んだこともないのに酒なんか。大丈夫かほのか。」

兄が話しかける。

「ズキズキします・・・。」

「とにかくほのかは今日は寝ていろ。ところでリュウさん、昨日の話なんだけど。」

「あぁ、マドカとの結婚の話ですか?」

「お父さんっ!!」

マドカが叫んだ。

すると兄が答える。

「じゃなくて、神の船の話だ!」

そして私も兄に声をあげる。

「お兄ちゃん!!マドカさんと結婚ってどういうことですか!?」

「いやいや、リュウさんが勝手に言ってただけだから!」

するとリュウが話しかける。

「いやぁ、すみません。で、神の船の話でしたな。故障しているということなら隣の町に行ってみてください。そこに腕が確かな技術者で有名な男がいますので訪ねてみてください。まぁ性格が少し頑固なやつなんですが。名前をロトといいます。」

「わかりました。明日にでも訪ねてみます。」

私が返事をするとマドカがリュウに話しかける。

「それで、お父さん。私、みなさんについて行ってもかまいませんか?神の船は私しか動かせないようですし。」

「そうだな。心配だが勇者さまと一緒なら大丈夫だろう。勇者さま、頼りになるかはわかりませんがマドカのことよろしくお願いします。」

「あぁ、わかった。マドカ、こちらこそよろしくな。」

ポンっと兄がマドカの頭に手を置く。するとマドカは兄の腕を掴み投げ飛ばした。

「いや〜〜っ!!あ、ごめんなさいっ!私しかまた・・・。」

「いや、俺も悪かったよ。」

そして、私達の旅にマドカが加わった。



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