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5人目だけど大丈夫だよね?

観客席に戻ると、私は兄に駆け寄る。

「お兄ちゃん、勝ちましたねっ!さすがですっ。あれ、そっちにいるのは…?」

兄が後ろに誰か連れている。

「こんにちわ、ほのかちゃん!久しぶりっ!」

「わ、わっ!湊さん!?」

「ほのか、この人は?」

ミンティアが尋ねる。

「この人は前にいた世界の、剣道部の兄の後輩で、私の1つ先輩の西園寺湊さいおんじみなとさんです。湊さん、この人はミンティアさん。で、となりの子どもはリアです。」

とりあえずお互いのことを紹介する。

「よろしくね、湊。」

「よろしく、湊お姉ちゃんっ!」

ミンティアとリアが挨拶する。

「こちらこそよろしく。」

「まぁ、詳しい話は帰ってからだな。ちょっと今から大会の表彰式があるみたいだから行ってくる。」

そして兄は舞台に戻る。

「ただいまより、帝都ルマンダ武術大会表彰式を行います。」

表彰式が終わり兄が戻る。

「ただいま。とりあえず賞品の船の鍵をもらってきたよ。船は港町サラボナにあるらしい。」

「まぁ、とりあえず今は船は必要ないからまず帰りましょう。」

ミンティアがそう言うとみんなで帰宅することにした。

そしてリビングで湊の詳しい話を聞くことにした。

「えっと、学校から帰ってきて自分の部屋に戻った途端に床が光だして気がついたらなんか暗いお城の中みたいなとこにいて、変な人がボクの頭を触ったと思ったら気を失ってまた気がついたら今度は小鳥遊先輩に抱きかかえられてたんだ。いったい何がなんだか…。」

湊が説明する。

「湊、ここは日本とは違う世界なんだ。」

「うん、そうだろうね。なんとなくわかったよ。」

「で、俺とほのかはこの世界の魔王を倒すために召喚されたんだ。」

そして、兄が私達が異世界召喚されてから今までのことを全て説明する。

「そうだったんだぁ。小鳥遊先輩とほのかちゃんが行方不明になってから大騒ぎだったんだからね。でも二人とも無事でよかった。それで、帰り方はわかるの?」

「帰れないんです…。異世界召喚は10年に一度しかできないらしくて。」

私が答える。

「えーっ!どうしよ…。お母さん心配してるよね…。」

「まぁ、とりあえず俺達と一緒に行動しようか。」

「そっか。まぁしかたないよね…。小鳥遊先輩がいてくれるなら…。よろしくねっ!」

湊が兄の腕に抱きつく。

「おい、離れろっ!暑苦しい!」

「別にいいじゃん。ボク小鳥遊先輩スキなんだからっ!」

湊が兄の腕に頬ずりする。それを兄が強引に引き離す。

するとミンティアが小声で私に話しかける。

「ちょっと、ほのか。いいの?あの子ユウタにベタベタしてるけど…。いつものあなたなら激怒してるところじゃない?」

「ああ、湊さんはいいんですよ。」

「そういうものかしら?」

ミンティアと内緒話をしていると兄が話しかける。

「ところで湊の部屋はどうしようか?もう部屋は余ってないんだよな…。」

「じゃあお兄ちゃんは私と一緒の部屋にしましょうっ!」

私が答える。

「それはどうかなぁ…。なんかヤバそうだし。」

「お兄ちゃんが禁断の愛に目覚めてしまいそうだからですか?」

「目覚めないよ!寝てる間になんかいたずらとかされそうだし。」

「じゃあボクが先輩と一緒でもいいよ?」

湊がそう言うとミンティアが

「えっ!それはさすがにダメでしょう…。」

「湊さんならまぁ…。」

私が答えるとミンティアがさらに大声をあげる。

「えっ!!ほのか大丈夫!?熱でもあるんじゃ…。」

「私は別に大丈夫ですよ?あっ!それならリアが私と一緒に寝ましょう。」

するとリアが答える。

「うん!いいよっ。お姉ちゃんと一緒なら楽しいね!」

そしてリアが私の部屋にくることになった。

みんなで引っ越しをしているとミンティアが話しかける。

「ねぇ、ほのか。いったいどうしたの?いつもなら女の子が近づくと『お兄ちゃんは私のです!』とかって騒ぐのに…。」

「湊さんは別に大丈夫です。だって男ですから。」

「えっ?私の聞き間違いかしら?」

「いえ、湊さんはああ見えて正真正銘の男性ですから。」

「え〜〜っ!!どっからどうみても女の子にしか見えないじゃない!?スカートはいてるし。」

ミンティアがとても驚いている。

「あれは湊さんの趣味らしいですよ。お兄ちゃんがスキって言ってるのも別に恋愛じゃないみたいです。女性が好きみたいですよ。」

「そうだったの。男なのにあんなに可愛いなんて反則だわ…。」

そして翌日、湊を連れてギルドに行くことにした。

「とりあえず湊を冒険者登録してステータスプレートを貰わないとな。」

「冒険者とかなんかゲームの世界みたい。でも楽しみっ!こういうのなんかわくわくするね。」

湊が楽しそうにしている。

冒険者ギルドに到着し、受付にいく。

「あら、勇者様。今日はどのような御用でしょうか?」

「こいつの冒険者登録をしたいのだが。」

「冒険者登録ですね。かしこまりました。ではこちらの水晶に手をおいてください。」

そして湊が水晶に触れる。

「はい。これで冒険者登録は完了いたしました。こちらがステータスプレートになります。」

そして湊がステータスプレートを受け取る。

名前 ミナト レベル50 職業 聖騎士パラディン 攻撃力 11200 魔力 12000

スキル 神速剣 魔術封じ(ディスペル)空間制御魔法

「わ、湊さんすごいですね〜。いきなりレベルが50もありますよ?しかも攻撃力も魔力もすごい高いですっ!」

「そうなの?よくわからないけど、記憶を失ってる間にあがったのかな?」

湊が答える。

「スキルも多いな。神速剣とディスペルは昨日見せてもらったけど、空間制御魔法ってなんだ?」

兄が尋ねる。

「さぁ。ボクに聞かれてもわからないよ。」

「私も聞いたことないわ。異世界召喚されるとみんな特殊なスキルが付与されるみたいね。」

ミンティアが答える。

「まぁ試してみないとわかりませんね。湊さん、あとで魔法の使い方を教えますね。」

「うん、ありがとう。ほのかちゃん。」

そしてみんなでいったん家に帰った。

「どんな魔法かわからないから人のいないところに移動しましょうか。みなさん私につかまってください。テレポっ!」

私達は空間制御魔法を試すため人のいない小島、真実の塔の前にきた。

「ここなら人がいないので多少派手にやっても大丈夫でしょう。」

「すごいっ!ほのかちゃん、今のが魔法!?」

湊が驚いている。

「はい、じゃあ魔法の使い方を教えますね。って言っても簡単なんです。頭の中で魔法のイメージをするだけなんです。ちょっとやってみますね。炎よ、いでよ!ファイヤ!」

すると目の前に火の玉がでる。

「今のは火魔法なんですけど、湊さんのはどういう魔法なんでしょうね。」

「とりあえずやってみるね。イメージ…イメージ…。」

そして湊がしばらく沈黙するが何もおこらない。

「はぁ〜っ、ダメだぁっ!全然わからない。何をイメージしていいかわからないからどうしたらいいのか。」

その後も夕方までいろいろ頑張ったが結局湊が魔法を使うことはできなかった。

「まぁ、あせることはないさ。そのうちできるようになるだろう。まずは俺達と一緒に魔物退治でも行こうか。」

「そうですね。いろいろ経験したら大丈夫ですよっ。今日はもう帰りましょう。」

「うん…。役に立てるように頑張るよっ。」

そして今日は家に帰ることにした。


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