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決勝戦だけど大丈夫だよね?

「あいつの強さは尋常じゃない。油断したらやられるな。」

兄が真剣な表情でそう言うと、

「魔法を使えなくする魔法なんて存在しないわ。おそらく、あなたのマジックブレイカーと同じく一部の人しか使えないユニークスキルだと思う。」

ミンティアが答える。

「魔法が使えないということは剣技だけで倒さないといけないということだな。まぁあいつも剣士だから負けるつもりはない。」

「そうですよっ。お兄ちゃんに剣で勝てる人なんていませんっ!」

「問題はあの鎧ね。あれだけ全身にまとっていたら攻撃が通用しないでしょう。」

ミンティアがそう言うと兄が少し間をおき、

「まぁ、確かにやっかいだが手がないわけじゃない。鎧っていうのは人間の体で必ず覆えない部分が存在するんだよ。肘の裏や膝の裏とかの関節部は物理的に無理なんだ。」

「そうですね。あとは繋ぎ目の間なども攻撃できるでしょうね。」

私が追加説明する。

「とにかく最初から全力でいかないとな。まぁ相手を殺してしまう心配がないからよかったよ。」

「お兄ちゃんならきっと大丈夫ですっ!」


そして翌朝、大会決勝戦を迎えた。

「それでは、ただいまより決勝戦を行います!冒険者ユウタ対同じく冒険者マイル、はじめっ!」

試合が始まると、マイルはなぜか俺ではなく後方に向かって攻撃した。

斬撃が飛んで行った先は結界石だった。

結界石はヒビが入り結界が消えた。

「おま、何を!?」

観客は結界が消えたことには気づいていない。

動揺しているとマイルが俺に近づき剣で攻撃してきた。刀で防御する。

「あなたが勇者ですね?ようやく見つけました。」

剣に力を入れながらマイルが話しかけてきた。

「お前はいったい…。なぜ結界を破壊した!?」

「あのままではあなたを殺せないではないですか。私は『勇者』を殺すよう魔王様に言われておりますので。」

一度後ろに飛び距離をとる。

「魔王だと!?お前は魔王の手先ってわけか。でもなんでわざわざ武術大会なんかに。」

「あなたと一対一で戦うためです。あなた以外を殺す司令は受けておりませんので。暗黒剣!」

黒い斬撃が飛んでくる。それを刀で弾いていく。

「ぐ、身体強化っ!電光關火!」

超スピードでマイルに斬りかかる。

動き回りながら連撃を放つとマイルの鎧の一部を破壊した。

「やりますね。では私も本気でいきましょう。神速剣!」

マイルがそう言うと俺と同等のスピードで斬りかかってきた。

一撃一撃を刀で受け流して行く。

(いったん距離をとったほうがよさそうだな。)

再び後ろに飛び距離をとり、刀を収め身体を低くする。そこへマイルが攻撃してきた。

「天駆ける龍の息吹っ!」

マイルの剣をかわし、抜刀術で炎剣を放つとマイルに直撃する。そしてそれはマイルの兜を破壊した。

「お前は!?」

そこに現れた顔は見慣れた顔だった。

みなと!?」

西園寺湊、俺と同じ学校の剣道部の後輩だ。

「なんのことですか?私はマイルです。」

「湊!俺だよ!!ユウタだよ!目を覚ませ!」

「暗黒剣!」

再び黒い斬撃が飛んでくる。それをかわしながら、

「一体どうしたんだ!?なぜ魔王なんかに!」

一生懸命湊に話しかける。

「く、相手が湊じゃ攻撃できない…。」

攻撃はせず次々と防いでいく。

(たぶん魔王の魔力で操られているだけなんだ。なんとか正気に戻さないと…。)

「ホーリーショット!!」

飛んでくる黒い斬撃を魔法剣の光の斬撃で相殺する。

「ディスペル!」

マイルがディスペルを唱える。

しかし魔法剣は引き続き使えるようだ。

「どういうことだ?あの技は聖魔法にきかないのか!それなら!!」

攻撃をかわしながらマイルに近づいていく。

「身体強化!!最大!!」

渾身の力でマイルの剣を弾いてついに剣をふっとばした。すかさず俺も刀を捨て、マイルを背後から抱え動けないようにする。

「聖なる力よ!邪悪な力をはらいたまえ。ホーリーシャイン!!」

するとマイルの全身が光だし叫ぶ。

「ぐぁ〜〜!!な、んだこの光は!?力が抜けていく…。」

すると黒い鎧は消えていき姿が変わっていく。

そして女子高生の姿になった。

「湊っ!?」

俺は倒れた湊を抱きかかえる。

「しっかりしろ!湊っ。大丈夫か!?」

「ん…。ここは…?あれっ?小鳥遊先輩っ?」

湊が目を覚ます。

「よかった…。湊。ケガはないか?」

「うん、ケガはないけど…。小鳥遊先輩はなんでそんな格好を?てかここどこ!?」

「まぁ、とにかく詳しい話は後だ。」

するとレフェリーが

「決勝戦勝者は、ユウタ!!」

と勝利を宣言する。

「とりあえず休んだほうがいい、立てるか?」

「う、うん。」

そして湊を連れて観客席に戻る。





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