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第6改革者と金欲

日本速報ニュース

昨夜、市内の一軒家で女性二人の遺体が発見されました、死因についてはまだ調査中ですが、自殺の可能性が高いと警察は見ています。二人は2年ほど前まで同棲していたことがわかっており、前に同棲していた家の近所の住民は、とても仲が良かったと話す人が多いようです。

では次のニュースの前にコマーシャルです

ザーー・・・ザーー・・・

心地よい波の音が聞こえる、凛と昔デートした海の波の音を鈴は思い出していた、その波を思い出させるような、単調な反復音が繰り返される。

「うっ、頭痛いな、そりゃそうか、凛と心中したんだし、先に凛が死んじゃったから、心中ではないのか、まあそんなことどうでもいいや」

立ち上がり視線を落とす

「手も足もある、記憶も意識もある、ここは俗に言う天国かな?それとも地獄、凛と一緒なら地獄でもいいけど、というか今きてるこの服誰のだ?みたことないな」

とりあえず、食べ物と情報だ、特に凛の。

まだふらつく足でゆっくりと歩き出す。

「それにしても今、朝なのかな夜なのかな、赤みがかった暗いのか明るいのかわからない空だな」

寝ている間不思議な夢を見た、凛と生活してたあの家で目玉焼きを焼いてあげて朝食を食べて、お風呂に入る、はっきり思い出せないがそんな夢。

「夢で思い出した、凛なにしてくれてんの、なんで相談もなしに自殺なんか、しかも私以外の女に捨てられたからって、凛も結局そっちの方だったんじゃん、女でいいなら私を選んでくれれば良かったのに、思い出したら腹たってきた、ここが天国だろうが地獄だろうが凛見つけて怒って、私の嫁にしてやる!」


トントンと急に誰かに肩を叩かれ、ビクつく。

「お嬢さん、同性愛者ですか?あまり大声でそう言うの叫ばない方がいいと思いますのよ、それと、ちなみにだけれど、ここは天国でも地獄でもありませんわ、2無 第3宇宙の惑星よ」

あまりに驚いて、少し固まっていた鈴だったが、一度深呼吸をすると、背中から生えた二枚の羽でホバリングしている未確認生物を凝視し、とりあえず、地球ではないと確信した。

「えーっと、あなた、名前は?私は鈴、遭難したみたいで、良ければ色々教えてくれると助かるんですけど」

未確認生物は地面に降り、少し鈴を凝視すると

「あなた、同性愛者なのよね?」

鈴はムッとした、同性愛者と言うだけで今まで何度バカにされてきたことか。

「そうだけど、なにかもんだいがあるの?」

すると、未確認生物は頬を緩ませ

「いいえ、私も同性愛者なの、周りのヴァンパイア仲間に話したらきっとバカにされるもの、話し相手がずっと欲しかったの、他種族でも大歓迎よ」

「そうなんだ、それは私も嬉しい、というか、ヴァンパイアって本当?」

「ええ、そうよ、ここはヴァンパイア族が主に繁栄している惑星よ、私からも質問一ついいかしら?」

「うん、私に応えれることなら何でも答えるよ」

「あなた、イレギュラー創造神よね?改革者とも言うんだったかしら、その服着せるときに見ちゃったのよ、それは本物?それとも、改革者に憧れてタテゥー入れたって感じなのかしら?私、鑑定系の魔力ないから教えて欲しいの、もし、本物だとしても、最高神に突き出したりはしないわ、信じて欲しい」

何を言ってるんだろう?鈴の思考が少し停止した後、また動き出した

「ごめん、何言ってるか全然わからない、この服あなたが着せてくれたんだね、ありがとう。」

少し考えた後サキュバスは手を差し出してきた

「私の名前は愛、あなた、気に入ったわ、遭難したらしいわね、嘘でも本当でも、まあ、良いわ。行くあてがないなら私の家にきなさいよ、面倒見てあげるわ、働いてもらうけどね、これでも私の家は財力はあるほうなのよ」

迷うことはない、この手を取るのが一番効率的だろう。そう考えた鈴は握手を交わした。

「こちらこそよろしくね、ありがとう、愛」



・・・

結局あの後大きな屋敷に招かれた、どうやら愛はここの娘らしい、地球で言う、メイドや執事みたいなのもいて本当にお嬢様なんだなと実感した。晩御飯もとても豪華で、大きなテーブルで愛のご両親と兄妹の兄と妹にもそのとき会い、挨拶を済ませた、快く受け入れてくれた。明日の夜に仕事の内容は伝えると言われ、この日は寝るだけとなった。

1日をふかふかの布団の中で思い返ってみると出来すぎている気がする、怖くなるぐらいだ。そんなことを思っては愛に申し訳ないのかもしれないが。

もう一つ気になることもある、愛が最初会ったとき私をイレギュラー創造神と言っていた、今日風呂に一人で入ったとき、自分の背中を確認したが確かに輪のようなものがあった、もちろん、タテゥーなんて掘るわけない、凛が望むならそうするが。つまり、愛の言ってることが本当だとしたら?地球で見たアニメや漫画の世界のようなことが自分に起きているとしたら?そんなことない、とは言い切れない、すでにありえないことが今起こってる。

「はあ、考えても仕方ないよね、凛生きてるかなぁ、もちろん生きてるよね、早く会いたいなぁ」

ぽつりとつぶやき眠りについた。



・・・

テゥルルルルル

静かな一階のリビングで愛が電話をかけている。

「もしもし、そちら、帝都の改革者通知センターですの?」

「はいそうです、有力情報でない場合、または、偽とわかっている情報を話した場合、最悪死罪となりますが、それをご了承の上お話しください」

「そんなこと言われなくてもわかってますのよ、場所2無 第3宇宙 惑星番号11−56−79 私の家にて不審人物を監視していますわ、背中のリングは確認済みですの、早くきてくださいね、こっちだって怖いのですから」

「はいはい、すでに先客が82件あるので、そちらに向かうのは一週間先になります」

「何を言ってますの?そんなの全部嘘ですわ、私のところに本物の改革者がいましてよ」

「はいはい、みなさんそうおっしゃいます。ではまた後日」

ガチャッ

「なんですの!あいつは、82件なんて全部嘘ですわ。一週間なんとか耐えませんと、そうすれば無限の富が手に入ります、それだけ金があれば帝都にだって住めますわ」

受話器を乱雑に戻すと愛は自分の寝室に戻っていった。



エルフ教室豆知識

ヴァンパイア➡︎背中に羽が二枚生えており、空中飛行が可能、もちろん創造神の力を使った時の羽とは見た目も全くの別物である。羽以外はほとんど人間と同じである。日光を嫌い、ヴァンパイアの住む惑星は日光が差し込みにくい曇った惑星が多い。別に日光に当たったから肌がボロボロになるとかそんなことはない


改革者通知センター

改革者の情報を集め対応を行う部署、現在は金目当ての偽の情報が多く、最悪死罪にすると公表したものの、死罪になったものはおらず、そんなに怖い部署ではない、また、前回の第4改革者が50年前と、最近のため警戒も今は薄い。

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