ゴブリンと靴
エルフ教室豆知識
ゴブリン➡︎身長は約150センチ、肌は薄い緑色、人と似た見た目をしている、肉体の強さ、形状、なども人と似ている。性格も穏便で協力する場合が多い、
稀に、魔力を持った個体が生まれることがある、その魔力は基本的に治癒系である。
カサカサ、木の葉の音が聞こえる。
「うっ」
起き上がると同時に、ひどい頭痛と吐き気が襲う、しかし、腹に何も入ってないのか吐くものはなかった。
「なんだ、ここ」
周囲は背の高い木が立ち並び日光がちらつく程度だった。
自分が倒れているところには草が生えておらず、何かが通った道のようになっていた。
「・・・ここはどこだ、というか、なんで私森の中にいるの?」
少し考え込んでいると、後ろから大声が鳴り響いた
「おまえ、こんなところで何してんだ!というか、なんで裸で森の中にいるんだ、近くに水場なんてねぇぞ!」
振り返ると、そこに緑色の生き物が立っていた。
「おいおいおいおい、こっちふりかえるんじゃねぇ、見えちまうだろうが」
緑の生き物は、目をつぶると、持っていた籠から何かを出し、こっちに放り投げた。
「とっとと、それでも着な」
この生き物は何を言っているのだ、拾い上げ、体の前で広げる。
「なぜ、これを着なくてはならないのかな?見た所生き物の乾燥した皮のようだ、処理も雑だし、肌に当たると私の体が傷つくのでは?」
緑色の生き物は、首を傾げたあと、少し怒り口調で話し始めた
「理由はなんでもいいから、とりあえず、胸とまたを隠しな! まったく、まさかこんなとこでサキュバスの女と会うとは、近くには村もあって小さい子供もいるんだ、教育に悪い、何しにこんな惑星に来たのかしらねぇが、とっとと自分の船で帰りな。」
とりあえず、怒っているようなので、言われた通り隠した。
「緑の生き物くん、教育に悪い?あなたが子供思いなのはわかるが、それはまるで私の体が汚いもののようじゃないか?それはさすがに傷つくな。それと、サキュバス?それは、私のことかな、私の名前はサキュバスというのかい?あと、船?近くに水場はないのだろう、なのになぜ船があるんだ?まずまず、私は船に乗ってきたのかな?」
また、首を傾げた後、緑の生き物は話し出した
「悪かったよ、じょうちゃん、サキュバスだと思ったもんだから、悪く言っちまった、よく見れば、外見があわねぇな、それと、緑の生き物っていうんじゃねぇ、俺らの種族はゴブリンだ。」
「そうか、ゴブリンくん、サキュバスが名前じゃないなら私の名前はなんだ?」
ゴブリンはため息をつくと、籠を背負った。
「水場に船があるとか、名前がわからねぇとか、頭のおかしいことを本気で言ってるみたいだ、見た所下層種族の人間ってとこだし、はぁ〜、ついてきな、村の医者のとこに連れてってやる。」
このゴブリン優しいらしい
「ありがとう、ごぶりんくん、優しいんだね」
「本気で困ってるやつをほっとけねぇだけだ、それとな、俺はゴブリンという名前じゃねぇ、名前は一郎だ」
歩き出した一郎にとりあえずついていくことにした。
地面から突き出た石が当たって、足の裏が痛い。一郎が足につけているのと同じのがあればいいのに。
「一郎くん、君の足についてるのが、もう一つあったりしないかい?足の裏が痛いのだけど。」
「靴のことか? ねぇよ、しかたねぇな。俺のをかしてやる。女に辛い思いさせるのは趣味じゃねぇからな」
そう言うと、立ち止まり、靴を脱ぐと手に取り振り返る。
突然一郎の怒った声が響いた。
「お前、からかってんじゃねぇぞ!」
一郎が私の足を指差す。視線を落としてみると
「あれ?おかしいな」
なぜか、私の足に一郎の靴と比べると、貧相だが、確かに足の裏を守る、靴のようなものが履かれていた。
「次ふざけたことしやがったら、村にはつれていかねぇ!」
そう言うと、少し早足で一郎は歩き出した。
エルフ教室豆知識
サキュバス➡︎身長160センチ、肌はペールオレンジ(日本人の肌の色)、基本的に人と似た見た目をしている、特徴として尻尾が生えている。繁殖はどの種族と子供ができても純血のサキュバスになる、なので女性しかいないが絶滅はしない、また、裸でいることが多いため、他の惑星からは危険視する意見も多数。
半分ほどの確率で魔力を持った個体が生まれる、その魔力は基本的に幻覚系である。




