2 アーヴィとエリィの再会。そして街へ!
「アーヴィさま! 今までのお話はもうおしまいにして、わたしと外に出ませんか?」
エレオノーラは太陽のように暖かい笑顔でアーベルを迎えた。
「外……?」
「はい。せっかくこのゾンネンブルーメに平和が戻ってきたんですもの、街の様子をお忍びで見に行きましょう」
「……嫌だよ! 怖いよ」
アーベルはきゅっと目をつむった。
「街の中でだってモンスターが出たりしたし、ちょっと前まではアードラーの兵士がいたんだよ! お城の外は、何があるか分からないじゃないか。 城の中にいさえすれば、まだ安全だよ……」
渋るアーベルを前に、エレオノーラは、謁見室の窓の向こうに広がる、澄み渡った晴れの空を見た。
「今日はとてもいいお天気ですよ、アーヴィさま」
エレオノーラはアーベルの顔を覗き込む。
「いろいろなことがあって、怖いのはわたしも同じです。でも、だからといってお城の中にずっといたら、気持ちがおかしくなっちゃいます。大丈夫。わたし、イルザさまに悪漢への反撃方法を教えて頂いたのですよ?」
「えっ……エリィが?」
きょとん、とアーベルはエレオノーラを見た。そして、ぷっと吹きだす。
「それは、頼もしいね! うん。じゃあ僕、エリィと一緒に行くよ……!」
話はまとまった。そうして二人は、従者も付けずに、簡素な服に着替えてさっそくゾンネンブルーメの街へと出かけたのだった。




