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初めての入学式

教室の扉を開けると、まだ入学式の開始時間まで間があるというのに、かなり人がいる。

黒板に書いてある席を見ると、俺と巫は隣だった。

なんか机の上に、ここにあるわけないものが乗ってるが、無視しよう…

同じものを見てなんとも言えない表情をした巫としばらく話していると、担任と思われる先生が教室に入ってきた。


「はい、皆さんお早うございます。担任となりました。速水絵里子と言います。まだ来てない生徒がいるようですが、ほっといて体育館に向かいましょう!

ではーー」


そう言って速水先生は教卓を指差し


「皆さんの机の上にも置いてあるものを持って移動してください」


そう言ってゾロゾロと移動し始めた。

誰もこれをおかしいと思わないのか…?

いや、少なくとも巫は、おかしいと思ってるらしい。

常識人のようで良かった。


「石垣くん、コレなんでしょう…」


横から巫がそっと話しかけてきた。


「まぁ、見たとおりのものだな」


「そうじゃなくて!

こんなの何に使うんでしょう…私たち入学式に出るんですよね?」


「俺もそう認識していたんだが…」


二人で考えているうちに体育館前に着いた。

整列した俺たちに先生が一番最初に言ったのは、励ましや、アドバイスなどではなく…


「では皆さん!

教室から持ってきたヘルメットを着用してください」


そうヘルメットである。

俺たちが教室から持ってきたのは、ヘルメットだ。

なぜ入学式にこんなものがいるのか。

巫は知らなかったかもしれないが、残念ながら俺は知っている。

なんで残念かって?

それは理由が


ドガッドンッガラガラガラパラッ

目の前で体育館のドアが吹っ飛んだ。


コレだからである。


この学校は新入生の歓迎が、やや過激な傾向があり毎年入学式は体育館が破壊されているのである。

そのため安全のために新入生のヘルメット着用が義務づけられているのである

巫は隣でフリーズしている。

まぁ初めての入学式がコレだったら驚くだろうな…


「ではっ皆さん入場です!」


速水先生が何もなかったかのように…というより、こんなこと何でもなさそうに言った


「巫…現実を見よう。

戻ってこい」


「嘘ですよね、こんなところで入学式なんてしませんよね⁉︎」


残念ながら入学式会場はここだ。

少し引きつった顔で、俺たちは入場した。

遅くなりました!

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