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思い出した

一週間で更新できたらと思いつつできない現状をどうしたものか…

階段を上りながら、俺は(かんなぎ)といろいろな話をした。

趣味や、家族構成などなど。


「へー。(かんなぎ)は双子なんだ?」


「はい、双子の姉がいます。」


「あ、敬語じゃなくていいぞ?同級生だろ?」


「えっ、が、頑張ります」


結局敬語だな。まぁ、なれたらタメ口で話してくれるだろう。


「双子の姉ちゃんも、ここに通ってんの?」


「いえ、お姉様はこの学校にはいません。」


姉妹なのに違う学校なのか。

ん…?


「なぁ、巫って、いいところのお嬢様だったりする?」


「えっ?そんなこと、ないと思いますけど。」


多分、当たりだコレ


「違うなら、そのお姉様って言うのやめた方がいいぞ?」


「あっ、そうですね…」


少し、寂しそうな色が目をよぎった気がしたが、一瞬のことで、確信はできなかった。

話題を変えよう。


「中学はどこに行ってたんだ?」


尋ねると、首を傾げながら


「行ってないです。小学校も」


ふーん、行ってないのか…そっかぁ……行ってない⁉︎義務教育は⁉︎

それとも何か…いじめとかがあったのか?


「いじめとかじゃないですよ?」


心を読んだようなタイミングで言われてしまった。そんなに顔に出ていただろうか?


「じゃあ、どうしたんだ?」


「家が少し…」


家?

親が怖がったのだろうか?

異能を持つ子供が生まれると、それを隠そうとする親もいると言う。

…悪いことを聞いたな。


空気を変えるべく、


「じゃあ、緊張してるんじゃないか?」


「はい。でも、皆さんと仲良くなれるように頑張ります。」


と言って、決意を固めるように、まっすぐ前を見据えた。


その顔を見た瞬間、俺は…どこで彼女を見たか思い出した。

昨日の強盗に立ち向かった子に似ている。

少ししか見ていないから、確信はないし、髪と目の色が全然違うが瓜二つだ。


「なぁ、巫。すごく失礼なこと聞くけどさ。何ランク?」


「えっ」


すごく驚かれてしまった。

端的にいうと、えーそれ聞く?って顔である


「…Fランク、です。」


Fか…

ならば昨日の少女は巫ではありえない。

なぜなら、魔力を練るには詠唱が不可欠で、AやSという高ランクのものしか無詠唱はできないからだ。

例外が無いわけではないがーー


「そうか、俺もFランクだ。こう言っちゃなんだが、同じランクの奴がいてよかったよ」


そういうと巫は、ホッとしたような顔で


「私も、よかった」


と笑った。



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