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俺たちの出会い

初投稿になります。拙い文章ですが読んでくださると嬉しいです。

「…うーわ…これは無いな…」


今、俺がいるのは都内の某ショッピングモール。

俺は今朝、母に


悠人(ゆうと)、日曜の朝ぐらいどっかに出かけたら?あ、トイレの電球買ってきてー」


との有り難いお告げをいただき、布団を引っぺがされるという悪行の仕打ちを受けた後寝ぼけた頭のままここまでやってきたのだが。

うん、出かけた先で強盗(絶滅危惧種)に出会うとは思わなかった。

平和ボケした頭は、これ映画の撮影か何かかなーっと考え、辺りを見渡していた間にさらっと捕まり、今ここに至る。

周りには俺と同じように両手をビニール紐で縛られ、怯えた表情の人々がいる。

んでもって俺の右隣には女子が一名。

こんな状況でなんだがかなりの美少女。

艶やかな月白の髪は腰までの長さでまっすぐに流れている。伏し目がちの目は長い睫毛に縁取られ紅桔梗の瞳がこの状況を憂いるように揺れているーー

ってこの状況でなにやってんだ俺。



「うぅ〜…ふぇ…」


ん?

俺の左隣の人が抱えてる子供がぐずりだしたぞ?

やばい!


「あ? うるせぇなぁ…おい、そこのガキ黙らせろ」


大柄のリーダーらしき男が取り巻き(雑魚)に指示した。


おいおい、子供相手に拳銃取り出したぞ⁉︎


「や、やめっ…‼︎」

「黙ってろ」


母親らしき女性も別の取り巻きに押さえつけられ、どうしようもなくなっている。

俺も初めて見る銃の恐怖に情けなく震えることしかできず、周りの人達も、訪れるであろう恐怖と悲劇から目を背けることしか…


「やめて」


恐怖で固まった空間に少女の声が静かに響いた。

声の発生源である少女を見ると、その姿からは想像できないような強い光を宿した瞳をしていて。


「その子を、離して」


彼女はいっそ幻想的なまでにふわり、と立ち上がりーー


「その子を離せ、下郎」


火に油を注ぎやがった…‼︎


「これはまた威勢の良いお嬢ちゃんだことで」


男は、取り巻きに目をやり、


「後悔しても知りませんよ…」


彼女が呟いた瞬間


「殺れ。」


カチリ、ドンッ‼︎

本当に撃ちやがった‼︎

それを受けた少女のことなど見ることもなく、その場の人々が恐慌に陥る寸前

パリッ

ガラスが割れて落ちるような音と共に撃たれたはずの少女が無傷で足を踏み出した。


「っなん…」

「降伏していただけませんか?」


あんなに恐ろしかったはずの強盗犯たちが小さく見えるほど、少女の存在感は圧倒的だった。


「舐めやがって…‼︎」


(はた)から見ても得体の知れないものに対する恐怖で引きつっていると分かる顔で取り巻きが銃を構えた。


「警告、しましたよ」


ズダダダダッ

銃を連射した音が響いた。

こんだけ撃てば怪我では済まないはずだ、と思っていることがよく分かる顔で取り巻きたちが笑う。

しかしーー

少女が倒れる気配など、無い。

うつむき加減で立つ彼女は今の銃撃など無かったのかのように佇んでいる。

そして長い髪をゆらり、と揺らしながら前を見据えた。


「この化け物がぁ‼︎‼︎」


取り巻きたちはさらに銃を連射した。

が、次の瞬間苦痛の叫び声をあげた。

奴らの銃が奴らの手の中でことごとく砕け散った


「だから、言ったのに…」


今、強盗犯の中で無事なのはリーダーと子供を抱いている取り巻きだけだ。

彼女は、コツン…と足音を響かせ一歩前に進んだ。


「く、来るなぁぁあ‼︎」


子供の頭に拳銃を当てながら取り巻きが叫ぶ。


「待て」


それまで一言も喋らなかったリーダーが取り巻きを止めた。

そして彼女に向かって口を歪めて笑いながら


「おい、お前ーーか?」


なんて言ったんだ?

しかし口の動きだけで発せられたその言葉を彼女は正確に理解したらしい。


「まさか、こんなところに私が分かる人がいるとは思いませんでした。」


「まぁな、俺のような裏で生きてる人間は色々な話を聞けるもんだ。聞いた時は嘘だと笑い飛ばしたもんだが実在したとはな」


「私が分かるなら降伏してください。このまま抵抗したとしても、どうにもならないことぐらいわかるでしょう」


「降伏?おいおい、今どんな状況か分かってるか?こっちには武器もあるし人質もいる。その上、ガキはまだ俺たちが捕まえたままだぜ?」


「問題ありません」


「そうかそうか。後悔しないといいな?」


リーダーが取り巻きにチラリと視線を寄越した。

子供に手を出すように指示するつもりだったんだと思う、多分。

断言できないのはリーダーが明確な命令を出す前に取り巻きが床に崩れ落ちたからだ。

そして、取り巻きの前には彼女が子供を抱いて立っていた。

彼女は取り巻きに向かって


「子供に手を出そうとするなんて…最低ですね」


と無表情で言った。そして体の向きをクルリと変えて


「残りはあなただけですが、どうなさいます?」


とリーダーに試すような視線を向けた。


「仕方ねぇ。降参してやるーーなんて言うと思ってるのか?」


そして取り出した銃を…俺達の方に向けたぁ⁉︎

いや、何で⁉︎

二人で話してたのに何でこっちに銃、向けてんの⁉︎


「お前も、この距離じゃ、どうしようもないんじゃないか?」


少女は


「困りましたね」


と少し焦ったような顔をした。

えっ もしかして、ホントにどうしようもない…⁉︎



ご覧いただきありがとうございました。これからも頑張って書き続けたいので、温かい目でご覧いただければ幸いです。

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