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01:プロローグ




現在この国には12省がある、その中でも特別な省の説明をしよう。


男性保護省、字を読んでの通り男性の安全と保護を指針に活動している省である。


当初このような省が作られると決まったとき、マスコミは挙って男女差別だと叫んだのだが、対する国民は男女差別だと叫ぶこともなく「あぁ、やっとか」そんな声が大多数だったという。


所説あるが記録として残っているもので最も古い記録では天暦(テンレキ)1500年ごろにさかのぼる、男性の出生率が徐々に低下しはじめた、気が付いた時には男性の出生率は40%をきっていた、たかだか10%ととも言えるがされど10%。


この状況を深刻に見た政府は男性特権という制度をまずは作り、一夫多妻制を許可したがいきなり「多人数を愛せ」と言われても今までの文化や理性がある、もちろん意気揚々とその制度を利用した男性もいたが女性からの反発もすさまじかったらしい。


そして、現在男性の出生率は3%、

世界では国際人類保護連合というものまで設立し世界的な問題にまで発展している。


「そして今君たちがいるのは日本国男性保護省が設立した男性支援保護施設になるわけだ」


男性支援保護施設のとある一室、少年ともまだ言えない幼児たち相手に説明をしている男性がいた。


そのうちの一人、赤い髪の毛が目立つ子供がいた。


彼は幼児相手に何難しい説明をしてるんだよ、と男性を見つめる、現に教室にいる他の子供に目を移すが、目の前の少年は退屈そうに机にある木の節目をいじくり、後ろの少年に至ってはすでに席にいない


まぁ、おそらくは俺たちを無理やり押し込めている訳じゃないぞというアピールであり、目の前の男性も理解してもらおうという無いのだろう、と少年は辺りをつけ地面に座る。


話しは終わったのか男性は時計を確認すると携帯電話を取り出した。


「はい、先輩こっちは準備出来ましたがそっちは…はい…わかりました、では一度こちらに…はい」


どこかへ連絡をし終わった男性はポケットに携帯電話をしまい一度咳ばらいをすると全体を一度見渡す。


「はい、では自己紹介が遅れたね、僕は今日からみんなと一緒に遊んで学ぶ、田代(たしろ) 恭一(きょういち)だ先生でもお兄ちゃんでも呼び方は好きに呼んでくれ」


田代がそう名乗ると部屋のドアが開きさらに3人男性が増える。


明らかに堅気ではなさそうな風貌で細目でメガネをかけ、ダンディズム溢れる髭をした男性が一歩前に出てネクタイを締めなおすしぐさをする。


「みんな、長ったらしい田代くんの説明にも飽きただろう、私は山本(やまもと) 春幸(はるゆき)だ田代君が先生だとしたら私は用務員、あーっと…そうだなみんなの遊んだりする玩具を用意したりするおじさんとでもいうべきポジションかな」


すると他の3人は少し苦笑いを浮かべる、彼の胸にはたくさんのバッジがつけられており、バッジ一つ一つが彼の地位の高さを物語っていた。次は坊主頭の、年はおそらく30歳はいっていないだろう外見をした男性が前に出る。



今井(いまい) 健司(けんじ)です、俺は、うーん用務員も決まったことだし次は食堂のおじさんかな、みんなのご飯をおいしいかどうか確認する人とでも覚えといてね」


そして最後はスーツ姿が見た目の幼さのせいか似合ってるとは言いづらい男性だ、まだ男性という言葉より青年という言葉のほうが似合いそうな外見をしている、子供の前に立つだけだというのに表情は硬く、緊張しているのがまるわかりだった。


「えぇっと最後に川西(かわにし) 陽太(ようた)です、このあいだ大学を卒業しまして心理学を専攻してました、カウンセラーですよろしくお願いします」


すると盛大な笑い声が部屋に響き渡った、声の持ち主は山本だった、悪意を感じさせない笑い方というのはこういうものなのだろう、意図しての笑いだったのか川西も先ほどまで硬かった表情が少し緩む。


「川西くん、カウンセラーつっても子供にはわかんないだろうよ、あれだ友達と喧嘩したり泣きそうなときは川西くんのところに遊びにいくんだぞみんな」


そういうと少年たちは「はーい」と子供らしい返事を返した。


「あぁもちろん、それ以外でも僕は保健室にいるから遊びに来てね」


付け足すようにそう言い川西は笑う。そのあと、少年たちは3人ずつに分かれた。


赤毛の少年も例に漏れず、三人組のされる。


少年と同じ班の2人の特徴だが、1人はどこを見てるのかわからないぐらいぼーっとしている少年で、もう1人は年の割にはしっかりしているのだろうぼーっとしている少年の手を引いている。


「僕の名前は犬童 (けんどうゆう)っていうんだよろしく、こいつは田井中翔(たいなかしょう)


「翔だよ、よろしく」


うーんぽわぽわしてるがすごい対照的な2人が来たな、しかし6歳児にしては流暢に喋るな。


赤毛の少年は内心少々彼らに感心しつつ自分の名前も口にする。


「俺は緑山 夏樹(みどりやまなつき)よろしく」


ここから彼等三人の長い付き合いはスタートした。




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