伝説の妖精?!
4話目です
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小鳥のさえずりが鳴り響き
窓を開け顔を突き出し大きく口を深呼吸をする
「よし!」
気持ちを入れ直し宿を出る
今の俺には一つ新たな目的が出来た
門木井筒を探す事だ
だが手がかりは一つもない
とりあえず村の大通りに出て散歩をする
「いらっしゃい!いらっしゃい!」
朝から村には声が飛び交い活気付いている
またもや肉まんで腹を膨らませる
一つ心に引っかかっていた事がある
「何?!兄ちゃんごときが暗黒軍討伐
冗談やめてくれよ!」
三太の言った言葉を思い出していた
確かに俺は暗黒軍の事を何も知らない
そこで宿に戻り
年のとった女将さんに尋ねた
「お兄さんや暗黒軍の事は知らんほうがええぞ」
「そこをなんとか頼むよ!必要なんだ!」
粘り続け話をしてくれる事になった
……今から100年ほど前に奴らは姿を現したらしい
ゴブリンやオーク 空にはドラゴンやワイバーン
顔のない騎馬兵や ツノの生やした巨人
などなどもおったらしい
その先頭にいたどす黒い色に包まれた剣を背負った
男は口を開いた
「貴様らの命はこの暗黒軍が預かった
食糧や宝を集め我らへ届けろさもなくば
お主達もわかっておろう」
男はそう言って姿を消したらしい
「そこからと言うもの
暗黒軍からの指示を忠実に守ってきたのじゃ
まぁ暗黒軍に挑む馬鹿者もあったそうじゃが
帰ってきたものはもちろんいない」
その話を聞き
全身に鳥肌が立ち今のままでは
ダメという事が十分にわかった
「そして今一番新しい要求が
つい先日届いたのじゃ そこから1週間以内に送らなければ全ての村は滅びてしまう」
「そういう事かぁ…ありがとう女将さん」
そう言い残し振り返ろうと思ったが
目にあるものが飛び込んできた
体を戻し目を擦る
「あの髪の短さにあの顔……」
短髪に男まさりの見た目の女が部屋から出てきた
そう俺はあいつに昨日肉まんを盗まれたんだ
そして今俺が探している
「お前!門木井筒ぅぅぅ!!!!」
突然の出来事につい声を張り上げてしまう
自分の名前を叫ばれ振り向く
「なんだよ!……っお前昨日の肉まん男!
肉まんならもうないぜ!
ふっ!まぁお前じゃ捕まえられねーけどな!」
男まさりの少女は挑発気味に答える
「もう肉まんはいいんだ!お前と話がしたい!」
ゆうぞらは逃げられないよう必死に話しかける
「おいおい!そんな手に乗るかよ!
今までそんな事言って捕まえよーとしてきた奴
がどれだけいた事か…じゃあな肉まん!」
そう言って荷物を肩にかけ立ち去ろうとしたが
ゆうぞらの言葉に足を止めた…
「俺はお前と一緒なんだよ!」
井筒はゆっくり近づいてきた
俺の少し前で止まった
「まさか……お前も女だったのか!!」
ん??それは違うけど………
「そうか!そうか!それは悪い事したな!
俺は女からは物は盗まなねぇーだよ!
お前どうみても男だったからつい……悪かったな」
さっきまでの強気な態度が消え
少し少女になり嬉しそうに凄い勢いで話しかけてきた
「違う!そういう事じゃない!俺は男だ!
お前と一緒なのは………」
その言葉を発し終わる前に
俺の体は浮き回転し奥の壁が徐々に近づいてくる
ドガドガァガァガァガッシャーーーン!!!
凄まじい音がし木の壁に逆さまになりぶつかった
「騙したな!あっぶねぇーー!
危うく引っかかるとこだったぜ」
いや完全に引っかかってただろ!
「おい俺は、一言も女なんて言ってねぇーよ!
お前が早とちりしただけだ!
それにお前凄いパワーだな!
鍛えてなかったらどうなってたか!」
俺は倒れかかっている木の板を退かしながら
立ち上がる
「俺と一緒って言ったじゃねぇーか」
井筒は怒らながら戦闘の構えに入っていた
やっと立ち上げりホコリを払う
「なんで性別になるだよ!
お前と一緒なのはその光る足だよ!」
ビクッ!っと井筒は反応した
「確かに足は光るがなぜお前が……三大のやつか…!
あぁ光るよそれがどおした俺は急いでるだ!」
足のつま先で繰り返し叩く
「俺は斧が光るんだ!って何を急ぐ事がある?
また誰かから盗むためか?」
少女は床を叩くをやめ表情を変える
「俺は盗みはやめねぇ…
急いでるのはママの看病だよ……」
俺は少し戸惑う
「お前……そんな母さん重病なのか?!」
「あぁそうだよ!かなりの重病だよ!
もういつ死ぬかわかんない
まぁお前には関係ねぇーがな!
だから急いでんだよ!じゃーあな!」
俺は右の古い巾着に手を当てる
回復ポーションって使えるんじゃないか
まだ一度も使った事ないが可能性はゼロではない
俺は足を一歩駆け出した井筒を止める
「待て!!!」
「もうなんなんだよ!!ぶっ飛ばすぞ!!!
急いでるっつってんだよ………」
徐々に井筒の声が小さくなり最後まで
言い終わらず次の言葉を発する
「なななななんでお前がそれを!!!」
俺は卓球ボールぐらいの膨らみに上にはコルクが詰められているガラス瓶を見せる
「それは…!!!どんな病も怪我も直してしまう
伝説の秘宝『祈りの雫』じゃねぇぇーかぁ!」
えーーーーーーーーーーー!!!!!
そうなの?これそんな凄いの?
めっちゃ粗末に扱ってたけど?
20個ぐらいあるけど?
おばぁちゃんどんなの持たせてんだよ!!!
ってかなんでおばぁちゃん持ってたんだよ!!
頭では驚きと興奮が入り混じりるが
顔はクールに保ち話しを続ける
「あっあぁ…そうだとも…
これがその祈りの……なんちゃらだ」
そして俺は後悔と共にある事に気付いた
俺の目の前にいるのは
大人何十人でも捕まえれない盗みのプロ
だが気づいた時には遅かった……
「悪く思うなよ!一様礼を言っとくよ
ありがとさん!」
井筒は祈りの雫をポッケにしまう
やばいやばいやばい!このままだと取られる
なんかとかにないと!!!
「し…ししし死ぬゾーーーー!!!」
えっ?!何言ってんだ俺は……
「死ぬ??それはどういう事だ?」
「ああっあの…その…それは…俺が作ったから…
俺から離れると毒になるようにしてある!!!」
だから何言ってんだよ俺は!!!
「これをお前が作っただと?!
これは伝説の妖精しか作れないと言われている
秘宝だぞ!わかっているのか?!」
えーーーー!!!そうなの?!
「あーー…なっなぜなら俺がその
伝説の妖精だからに決まってんだろ!」
俺はさっきから何言ってんだ!
だがこれは流石に無理かぁ終わったー……
伝説の妖精ってなんだよ!
いるわけねぇーじゃん
まぁ一個ぐらいなら取られても……
「先ほどまでのご無礼大変失礼しました…妖精様…」
井筒は片膝をつき顔を下に向けていた
いけちゃうんかぁーーい!!!
これいけちゃうかーーい!!!!
妖精のわけねぇーじゃん!!!
バカなの?!!こいつ!!
驚きが凄かったがこのまま続ける
「もう過ぎた事は良い!
わかったならそれを返してもらおうか!」
妖精様なんかごめんない……
「妖精様お願いいたします!
この『祈りの雫』を恵んで頂けませんか?
私の母はもう『祈りの雫』がないと
生きられないのです。なのでどうかどうか
お願いいたします!」
井筒はさらに深く頭を下げ頼み混んでくる
こいつ…本当に妖精だと思ってやがる……
ちょっと引くわ…
だが良いチャンスだ!
「あぁいいだろう!だが一つ条件がある
この先の俺の冒険にお供をするならな!」
俺はドヤ顔で言い放った
その答えは即答だった
「はい!妖精様のお供ができるなら本望です!
ところで妖精様の名前はなんなのですか??」
井筒は目を輝かせている
「俺の名はゆうぞらだ!じゃあ急いで言ってこい!
そして荷物をまとめて村の前に集合だ!
逃げようと思っても無駄だぞ!
この妖精の前ではな!」
相変わらずのドヤ顔で言い放つ
「はい!ありがとうございます!
妖精様のお役人立てれるよう精進します!」
そう言い残し凄まじい勢いで店を飛び出た
妖精本当にごめんなさい……
そして冷たい視線を感じる
宿の女将が冷たい視線を送ってくる
俺は少し会釈をして急いで宿を出て村の前に向かった
まぁどんな理由であろうと仲間が出来たのは
喜ばしい事だ
村の前で待っていると
自分の身長よりもでかい荷物を背負った少女
が近づいてくる
「ゆうぞらさん!ママが無事元気になりました!
本当にありがとうございます!
これからしっかりとお供させていただきます」
「おっおう…」
井筒は目を輝かせている
「ところでどこへ向かうんですか?」
「んーーまだ決まっていない……
がとりあえず北へ進もう!!!」
「えーーーーー!!!
まぁ妖精様の事だから大丈夫ですよ!へへへへ」
こんなにわかりやすい
作り笑いを見たのは初めてかもしれない
そしてゆうぞらは井筒と行動を共にする事と
なった