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鉄の雲  作者: NIA
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地上と空

 だだっ広い草原の一角に大きな塔がそびえ立っていた。その塔を中心に国がある。とても小さな国だ。国の名はユトピア。そのユトピアの統治は自警団が行っている。

 ユトピアには学校が一つと自警団の中枢がいる塔、そして居住団地などがある。ユトピアの住人はみな居住団地に住んでいる。


 学校


「こうして愚かな科学者は神の罰を受け死に、鉄の雲は空へと消えていったのだ。ここまでのことで質問のある者はいるか?」


「いないようだな、では23ページを開け」


 はぁ、鉄の雲かぁ、今でもどこかを彷徨ってるんだよなぁ。一度でいいから見てみたいなぁ。

 そう、思っているのはポルタという学生だ。

 ポルタはそう思いながら空を眺めていた。すると、突然、窓にカーテンが引かれた。前を向くと先生が怒った顔でこちらを見ていた。


「ポルタ、空など見るな。汚れるぞ」


「なぜ、空を見てはいけないのですか?」


「はぁ、まさか、その説明をしなくてはならないとは…」


 スクリーンに“鉄の雲”が映し出された。あの事故のとき撮影されたものだ。


「いいか? 今からおよそ二世紀前、愚かな科学者共が“空を飛ぶ”という夢を実現しようとしていた。我らの祖先は神の怒りを、罰を受けると言い。実験の中止を求めた。だが、愚かな科学者共や空を飛ぼうとする人々はそれを聞き入れず“鉄の雲”を作り上げた。そして、人を乗せての飛行実験が行われた。そのときだ、悲劇が起こったのは…」


 スクリーンの映像が鉄の雲の崩れている映像に変わった。教室はざわついた。


「このように鉄の雲の飛行実験は失敗し、鉄の雲は雲の上に飛び去った。多くの人が空に、そして、その鉄の雲の破片は下の、二世紀前のまだ街だった頃のユトピアを襲った。関係のない者の命まで奪ったのだ。そのようなことがあった空をなぜ直視できる?空を見てはいけないのはそういうことだ。分かったな」


「はい」


 ポルタはそう言って座った。それを見た先生はスクリーンの映像を戻し授業を再開した。

 学校が終わり、ポルタは自分の部屋へ戻った。バッグをベッドへ放り投げ窓から空を眺めた。


 遥か遠く雲の上、鉄の雲が飛んでいる。

 鉄の雲の内部、ひとりの女の子が防護服を着込んみ、飛び立った時に崩れた場所で地上の方を眺めていた。

 地上ってどんなとこなのかなぁ~。

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