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稲武録  作者: サブ麻酔
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二日目

お待たせしました!

 十一月三日


 世間は文化の日ということで休日だが、私たちの野外学習には何の関係もない。そんなわけで朝6時起床。

 朝の集いがあるということで外に行くと、真冬のような寒さだった。それ以外に面白いこともなかったので朝の集いの様子は割愛。

 私は食事係だった。朝の集いが終わると、食堂に入って配膳などの準備に取りかかった。

 鏡に映った自分の姿を見て吹き出した。私はどぎつい紫に黒い星柄のパーカを着た上から、レトロチックな落ち着いた花柄のエプロンをつけていた。ちぐはぐ過ぎて、これではもはやギャグである。上着を脱いでからエプロンをつけ直した。

 朝食の風景も割愛。本当に面白いことだけ抜粋して書くのでドンドン話が飛ぶが、悪しからず。

 朝食の後はハイキングだった。出発前に黒がこれ以上ないぐらいのゲス顔で「お前は必ず一回以上転ぶ」との予言をしてきた。私が抜けた奴であるからだが、あいにく私は父親のアウトドア趣味のおかげで山道に慣れている。絶対転ばねー、と言い返して山道を歩き始めた。

 はたして私は転んだ。転んだというより滑り落ちた。もうすぐ昼食場所に着くぞ、というところでである。

 他の可愛らしい女子は滑った時に「きゃ!」とか「うわっ!」と女の子らしい声を上げていたが、私の口をついて出てきた叫びは違った。


 「黒ぉぉぉこの野郎がーーーッ!」


 ……今思うと、そうとう黒の予言が的中したのが悔しかったのだろう。それにしたって転んだ瞬間に悲鳴ではなく怒声が出てくるあたり、さすが私とでもいうべきか。

 立ち上がってからは破竹の勢いで斜面を降り、公園に着くやいなや、涼しい顔をして友人と雑談している黒をとっつかまえた。

「お前の予言で転んだだろうがぁぁぁ!」

「いやー、俺知らないなー」

 まったく白々しい。黒はこういう奴である(黒なのに白々しいのか、という指摘が来そうだがあまり気にしないでいただきたい)。


 昼食まで少し時間があったので、短編集ノートに書きかけだった物語を完成させた。爽やかな話だったので、青空の広がる高原でラストを書き上げられたのは嬉しかった。


 昼食、ハイキング後半、入浴、夕食は割愛。面白いことがなかったわけではないのだが、あまり長ったらしく順を追って書くのは好きではないのだ。


 さて、19時過ぎより室内レクリエーション。クラス対抗で色々なゲームを行った。我らが2組は見事、総合優勝を飾った。

 うちのクラスは何かと勝負ごとが強い。体育大会、合唱コンクール、学年レク……。「2組無双」と誰かが呟いていた。


 二日目の夜はやたらみんな遅くまで起きていた。部屋でクラスメートたちがお泊まり行事の定番「恋バナ」なるものを行っていたので、ネタを取ろうと思ってシャーペンとノートを持って輪に入ったら怒られた。ネタが欲しかったので「名前は伏せるから! プライバシーにも気をつけるから!」と必死で頼み込んだら、私も洗いざらい話すならOK、ということだった。ほどなくして私はしっかりガールズトークに強制参加になってしまったのである。


 一日目の寒さを考えて、この日はダウンを着込んで寝た。目が冴えてなかなか寝つけなかったが、11時頃に無事就寝。まどろんだ意識の中で、かすかにまだ布団の中でゴソゴソ言っているガールズトークが聞こえていた。



追伸:一日目に面白かったこと


 かまどには番号がついており、数字の書かれた札が立っていた。そこに黒が帽子を載せ、タオルを巻き、「俺の墓だ」と言っていた。私はそれを指差して「黒、ここに眠る」と言ってやった。ちょっとした連携ブラックジョークができて楽しかった。


さて、この次が最終日。連載小説を完結させるのは初めてなので、ちょっとドキドキしてます。

次回もよろしくお願いしますね!

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