祈り
ある男が空に向かって言いました。
「神様、どうか私を幸せにして下さい」
男は毎日、神様に祈っていました。
男は祈るために仕事も何もしなくなりました。
「ここまで祈ってるのだからどうかお願いします」
男の言葉を聞いていた神様は
「どんな人間の祈りにも答えるのが私の仕事だ」
と言って、男を幸せにしました。
男は笑って一生を過ごしました。
別のある男が空に向かって言いました。
「神様、どうか私を幸せにして下さい」
男は時々そう祈っていました。
男は自分の生活はきちんとしていました。
男の言葉を聞いていた神様は
「どんな人間の祈りにも答えるのが私の仕事だ」
と言って、男を幸せにしました。
男は笑って一生を過ごしました。
また別のある男は空に向かって言いました。
「神様なんていないから、祈って無駄だ」
男はそう言って毎日仕事を精一杯頑張っていました。
もちろん男が何も言ってこないので、神様は
「願いがないのなら何もしなくていいや」
と言って、仕事が無くなったことを喜んでいました。
やがて男は仕事で成功して幸せになりました。
神様は最後まで何もしませんでした。
男は笑って一生を過ごしました。