Whisper of the devilー悪魔の囁きー
掲載日:2012/09/03
真昼の月がボクを照らす。
小さくて大きな日陰。
それは、心の闇に思えた。
「ムカつく」
そう思った瞬間から、アイツが一気に嫌なヤツ。
心の輝きが闇に包まれていく。
アイツの話に耳も傾けられない。
いや、一方的に押し付けた。
“アイツだけが悪い”
芽生えた思いに頷いた。
苛立ちは加速しながら増していく――
やがて話し声も悪い方向に聞こえてくる。
“アイツがいなくなれば治まる”
何度も囁きかける声。
「そうだね……」
頷いて、空を見上げる。
月が赤くなった気がした。
ただ、太陽が眩しいだけなのに――
まるでボクを照らす事を拒んでいるようだった。
やがて、ボクの心は真っ黒になった。
妬みや憎しみの中が“居場所”になろうとしていた。
「ゴメン」
アイツが謝った。
ボクが気にしていた事とは別の事。
でも、向き合って納得いくまで話をした。
「ボクの方こそ、ゴメン」
自然と出てきた。
アイツは笑って許してくれた。
ボクも笑って許そう。
――深い闇をくぐり抜けると、眩しい朝日が差し込んだ。
*END*




