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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

望みはありふれたものだったと思う、どうしてこうなった。

作者: 秋乃宮 司

2個目の作品になります。

今回も拙く見苦しかったり短かったりするかもしれませんが、応援よろしくお願いします。注、追加予定有り。

息を切らして走る。

だが間に合わず無駄に強面の男たちが私を囲む。

その後ろには金髪縦ロールの漫画のような女。

勝てないな。完全につんだ。

 ・・・・・・。

現実とはこんなものだ。

ピンチのときに幼馴染やヒーローは現れない。

何かの力が目覚めもしなければ奇跡なんて起きない。

いや、モブの私にはこんなありふれた結末がお似合いなのだ。

正確に言うとするならば彼女らからすればモブ以下の虫けら的存在なのかもしれないが。

強面と金髪が術具を取り出して前に構えた瞬間、私は痛みに備えて目を閉じた。















目をつぶったそのすぐ後から私に対する制裁は始まった。

痛みと屈辱が押し寄せる。

もう何も分からなくなる。

ただただひたすらに苦しくて、泣きたくなる。

あははははは、遠くで耳障りな笑い声がする。

この状況の何が可笑しいというのだろう?

全く持って狂ってる。

その感性と面の皮の厚さはどこから来るのか。

しかし、ちょっと逆らっただけでこれとはあんまりだ。

普通人を椅子扱いはしないだろう?

それに全うな言葉を返しただけで何が悪いんだ。

笑える、凄く笑える。

いや、もう笑うしかない。

両手足は化け物の触手によって絡めとられ、

首は金具をつけられ。

全く持って打つ手が見当たらない。

今の普通の子ならばならばこんな化け物打ち払えるはずだが、私はあいにくと普通ではない。

化け物、通称「霊鬼(れいき)

と呼ばれるこいつらは特殊な気でしか戦うことは出来ないが

私には致命的な弱点があった。

私にはその特殊な気が後天的努力では伸びない才能つきのうえにゼロで生まれてきたのだ。

ゆえに「無能力者(むのうりょくしゃ)」と呼ばれてはや幾年だ。

それこそ術具(じゅつぐ)と呼ばれる補助具を使っても小さい炎一つともせないほどに。

もはや、やるせない。

・・・・・・考えるのも気だるくなってきたな。

あぁ、奇跡おきないかな。















悲しいことにおきないから現実だ。

アレからどのくらいの時間経ったのかもわからないが、

ともかく廃工場みたいなところに捨てられた私は何とか意識を取り戻した。

まずは此処から出ないといけないか。

そう思って冷たい床から何とか起き上がろうとするとありえない痛みが走る。

うん、これムリ。

起き上がることすら出来ないなんて情けない限りではあるもののこれは仕方がない。

一応今まではこれをされずにすんでたからな。

しかし、次にこの状況がきたときには殺されるかもしれないな。

正直あいつらはまだ生ぬるいやり方の奴らだったと思う。

噂に聞いただけではあるけれども私みたいなのの扱いは口に出来ないくらい酷いらしいから。

その点で言ってしまえば私は両親の地位に守られているとはいえる。

幸い、といっていいのだろうか。


両親といえば、こんな時間になっても帰らないのに心配されていないだろうか。

まさか、私のせいで辛い目にあってはいないのだろうか。

何も出来ずに居る間私はそんなとりとめもないことを考えていた。

そんな時、

「ようやく見つけました。真美(まみ)さんで合っていますか。」

私の耳にはどこか気だるげな重低音の美声が響いたのだった。
















誤字、脱字等々指摘がありましたらご指摘をいただければ幸いです。

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