『覇者の玉杯 落日の華』 日輪早夜
作品情報:『覇者の玉杯 落日の華』(日輪早夜/大洋図書)
さて、今回はきちんと予告通りに。
『覇者の玉杯 落日の華』。
非常に上質な漫画だというのが全体の感想です。
細かな部分を見ると確かに荒い。人物名、地名、時代、それらは少々ちぐはぐで、リアリティに欠ける。ご自身もエセ中華もの、とおっしゃっておられます(笑)
それでも私はこの作品にかなりの高評価を付けます。
美しい線、心的葛藤の描写の巧みさ、景色の切り取りの着眼点……見事というより他ありません。
慕っていた国王に「裏切られ」、自らの出自をも知らされた樹雨、そして虚しさとやりきれなさを常に心にいだきながら樹雨を深く愛する国王・真赭。
それはやがて悲劇へと向かっていきます。
真赭を強く憎みながらも激しく愛してしまった樹雨、この世など虚ろだとすべてのものに執着を見せない真赭の心に宿る人びと。
言葉にしなくとも溢れ出す人の愛おしさと愚かさ、立場と情、成長を見守る優しい眼差し――BL漫画でここまでずしんと突き付けられるものは……いえ、BLに限らず漫画の中でも最上級の傑作の一つだと思います。
日輪先生の歴史ものには他にも『傾城秘話』シリーズ(大洋図書)がありますが、そちらもお勧めです^^
また、角川書店の『おひさまのタマゴ』というかわいらしい作品もなかなか。こちらは学園もので、雰囲気は歴史ものとはかなり異なります。
――あ、今さらですが、この漫画家さんのお名前、読めるでしょうか?
「ひまわりそうや」さんですよー^^
次回は……完全未定。。




