表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/14

『Hybrid Child』 中村春菊

作品情報:『Hybrid Child』中村春菊(角川書店/ビブロス)※2社より発行

戦端を開くのは、やはりこれ。

あ、すみません、ちょっとこのシリーズの題名変えました。早々と昨日~今までにプロローグ読んでくださった方、ありがとうございます、『探訪記』から『合戦記』に変わっております。


中村春菊大てんてーは『純情ロマンチカ』とか『世界一初恋』とかのシリーズで爆発的人気を誇っておられるけれど、私は圧倒的にこの1冊が好きです。

明言はしておられないけれど、恐らくはこれ、会津戦争がモチーフになっています。

1、2話の舞台は明治ですが(多分)、話の発端は幕末、あれから140年以上経った現在でも未だ会津人と長州人との間に微かな遺恨を残す、鳥羽伏見の戦いに端を発した戊辰戦争、その中でも地獄絵図をうつし世に下ろしたかのごとき会津戦争が話の始まり。いや、話の流れからしてそうだと思うのよ?

ネタばれするので詳しい内容は書きませんが、心に深い傷を負った指揮官2人、それでもなお赦されぬ罪、悲しみをぶつけるあてを知らず、八つ当たりする民衆……そしてひたむきに愛し続けてくれるハイブリッドチャイルドに救われ、あるいは更に孤独を深める指揮官。

1話はやや軽めのノリですが、『月の雫』『型番0001』のキーワードを深読みすると、黒田のポーカーフェイスに大泣きします。最後まで読まないとこの深読みの意味は解らないのですが。


……どうして出版社さまは中村てんてーに時代物の新作を依頼しないのでしょう? 『東山道転墜異聞』、『月は闇夜に隠るが如く』、『満月物語』、『海ニ眠ル花』、この方の魅力は時代物にこそ顕著に表れていると思うのですが。

美しいナレーション、心に重く響く人の愚かさ愛おしさ、暗闇に差し込むひと筋の希望。ああ、稀代のストーリーテラーとはこの人のことを言うのだ、と、涙しながら読んでいる……のですけれどねえ。




さて、次回は日本を飛び出してアメーリカを舞台にした作品でも。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ