戦うことは望まない、何度も言ったでしょう。
戦うことは望まない、何度も言ったでしょう。
私は貴方とは戦いたくはなかった。貴方と剣を交えても何の生産性もないでしょう。無意味なことを続けることに、意味を見出すことはできない。
争うことは望まない、何度も言ってきたでしょう。
私と貴方が対峙することには何の価値もないのだから。無意味なことを重ねても生まれる良いことなどありはしない。それで得られるものなどありはしない、それがすべての答えよ。
それでも貴方はまだ戦うことを望むのかしら。
それでも貴方はまだ争うことを選ぶのかしら。
そんな道を選択しても、何の意味もないし何の価値もない。どうして貴方にはそれが分からないのか、と、考えれば考えるほどに不思議さが湧いてくるわ。どれだけ考えてみても、寄り添おうとしてみても、貴方の思考は読みきれない。貴方と同じ考え、そして答えには、どうやっても至れない。
私は貴方と戦うつもりはなかった。
なぜなら無意味だから。
剣を携え睨み合うことで芽吹くものなどありはしないから。
争いも、戦いも、良いものなんて何一つ生まないわ。
傷つけ合って。
涙流して。
ぶつかり合って。
悲しみ抱えて。
その果てには希望なんてないでしょう。
……それでもどうしても貴方は戦うことを選ぶのかしら。
誰もが願うことは幸せになること。その願いを叶えるために必要なのは、戦いではないし、血を流すことでもない。誰もが心のどこかではそれを知っているはずなのに、人はどうしてか戦うことを選んでしまう。そんなことをしても無意味だと分かっていて、そんなことをしても誰も笑顔になれないと知っていて、それでもぶつかることを選んでしまう。きっとそれが人間の本質だからなのでしょう。
でも、それでも……叶うなら、正しい道を、平和への道を選んでほしい。
それが私の祈り。
できるなら、戦いだけは避けたかった。特に貴方とは。できる限り衝突したくなかった。同じ道は選べなくても、隣り合うことはできなくても、それでもせめて傷つけ合うことだけはしたくなかった。
それでも貴方は……。
戦うことは望まない、何度も言ったでしょう。
私は貴方とは戦いたくはなかった。ここで貴方と剣を交えて得られるものに煌めくものなどないのだから。無意味な道を選び突き進むことに意味を見出すことはできない。
争うことは望まない、何度も言ってきたでしょう。
私と貴方が対峙することなど無意味の極み。そうやって無意味なことを重ねても、良いことなんて生まれはしない。それで得られるものなどありはしない、それこそが最も澄んだ真の答えよ。
それでも貴方はまだ戦うことを望むのかしら。
それでも貴方はまだ争うことを選ぶのかしら。
引き返すことはできないのか。
すれ違うこともできないのか。
前へ行けば衝突し、後ろへ下がればすべて失う。
どうしてこんな風になってしまったのでしょうね……。
貴方の道は貴方が決める。
それは確かなこと。
戦うことを望む貴方が存在する限り貴方はその道を選ぶ。
それは変えられないこと。
もうじき夜が来る。
とても冷たい闇。
それは身震いするほど恐ろしい黒。
戦うことは望まない、何度も言ったでしょう。
なのに……。
分かり合えないなんて、残念ね。
◆終わり◆




