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転生令嬢の本領発揮  作者: 田中響


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第27話 教員採用試験と開校準備

1週間後、マーガレットの元に続々と応募者から履歴書が集まってきた。

マーガレットは様々な意見を聞こうと、アーサーの他にもセバスチャン、オリヴァー、アンを集めて書類選考をする。

「この方はどうかしら?」

「志望動機は素晴らしいが、経歴が浅いな」

そんなことを話しながら選考を進め、通過した応募者に面接試験の連絡を出した。


面接日当日。

セバスチャンとアンにやって来た応募者の対応をしてもらい、面接はアーサー、マーガレット、オリヴァーですることになった。

もちろん、セバスチャンとアンには面接前後の応募者の態度を観察するように伝え、選考に反映させる。

面接の結果、教員4名、事務職員2名を採用することになった。

1人目はアラン•ドイル。25歳。ドイル子爵家の三男で、王都で家庭教師をしながら作家を志してしたが売れず、実家に居づらくなっていたときに求人票を見て応募してきた。彼には生徒たちに読み書きを教えてもらう予定だ。

2人目はジェームズ•ホームズ。45歳。大学の数学教授だったが、学内の権力争いにうんざりして辞職した。彼なら、子供たちに分かりやすく計算を教えられるだろうと採用した。

3人目はマリ•ワトソン。30歳。この国では珍しい、女性科学者だ。しかし、性別を理由にどの研究機関でも雇ってもらえず、教員経験はないものの応募してきた。

4人目はアダム•コリー。42歳。彼はこの国の歴史を研究している学者だ。歴史を知ることは直接生活に役立つわけではないが、先人たちから学ぶべきことはたくさんあると考えて採用した。

事務職員として採用したのは、エマとハンナ。2人ともノースフォード辺境領出身の23歳で、実家が商家であるため読み書きに問題はなく、事務仕事の経験があることから採用になった。


合格者に採用通知を出してから1週間後、マーガレットは彼らにノースフォード辺境領に集まってもらった。

「今回集まってもらったのは、皆さんと学校にする場所を決めるためです。候補は3ヵ所に絞ってありますが、ノースフォード辺境領の案内も兼ねて見て回りたいと思います」

「私達が決めてよろしいのですか?」

質問したのはアダムだ。それに、マーガレットは微笑んで答えた。

「もちろんです。実際に皆さんに見てもらって、子供たちと皆さんにより良い場所を学校にしたいと思います。早速ですが、出発しましょう」

それから、午前中一杯かけて候補地を見て回り、通学の利便性や建物の間取り、周辺の治安を考慮した結果、領都の東にある、元々は教会として使われていた建物を使うことになった。


城に戻って来たマーガレットたちは昼食を摂った後、会議室に移動した。

「次は、生徒のクラス分けと授業形態について決めたいと思います。参考までに、ジェームズさんが以前勤めていた大学では、どうでしたか?」

指名されたジェームズは、少し考えた後に答えた。

「1回の授業が90分で、学生たちが履修している授業を行う教室に移動する形でした。6歳の子供が90分間集中するのは難しいでしょうな」

マリが頷いて同意する。

「そうですね。幼い子供たちは脳が未発達なので、集中力が長続きしないことが科学的にも証明されています」

「(大学は前世と同じシステムなのね)そうですね。では、半分の45分はどうでしょうか?」

「授業の内容にもよりますが、それなら大丈夫でしょう」

マーガレットの確認に、マリは頷いた。

「次に、クラス分けについてです。年齢ごとに4つのクラスに分けようと考えているのですが、他に案がある方はいますか?」

これには、エマが挙手をした。

「農村部だと、同じ年齢でも親から簡単な読み書きを教わっている子もいれば、全くできない子もいます。その子供たちが同じ内容の授業を受けて理解するのは難しいので、クラス分けの基準は学力別にするべきだと思います」

エマの発言に、ハンナも頷く。

「確かにそうですね。では、クラスの段階別に講義内容を3種類作っていただきたいのですが、先生方は大丈夫ですか?」

4人は顔を見合わせて頷き、ジェームズが答える。

「3種類ならなんとかなるでしょう」

「ありがとうございます。よろしくお願いします。…そうだ、学校の名前はどうしますか?」

マーガレットの問いかけに、一同は虚をつかれたような顔をした。

「…名前ですか?」

尋ねたのはアランだ。

「えぇ。せっかく新しく学校を創るのだから、単なる『学院』とかではなくて、名前を決めたいの」

「確かにそうですね。ノースフォード辺境領の東にあるから、東という言葉は入れたいですね…」

「学院だと仰々しい感じになるから、『学び舎』はどうでしょう?」

この意見はハンナだ。

「良いわね。東ではなくて、東(あずま)という読み方はどうかしら?ノースフォード辺境領立東(あずま)の学び舎。他に意見がある方はいらっしゃいますか?」

マーガレットが一同を見渡すと、皆満足げな表情をしていた。

「では、新しい学校の名前は、『ノースフォード辺境領立東(あずま)の学び舎』に決定します」

マーガレットは微笑んでそう告げた。


その後も夕方まで会議は続き、終わったときは皆一様に疲れた、しかし満足げな表情をしていた。

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これは… もしかして、保存ミスでしょうか?
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