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それはまったく同意見だ


 ノックが聞こえたので出てみると、そこにはゼイールが立っていた。


「兄様? どうぞ上がってください、ちょっと散らかってるけど」


「ん? 何かしてたのか?」



「あ、はい。 ちょっとランプの修理を」


 ゼイールが部屋に入って、私の直したランプを手に取る。


 私は椅子に座り、作業台の上の工具やゴーグルを整理する。


「へぇ〜、トレイスが直したのか。 凄いな」


「いえいえ、配線が外れていただけだったので。 本当は星霊石が欲しくてバラしてたんだけど…少し小さくて」



「星霊石? 星霊石が欲しいなら貰って来てやるよ」

「本当ですか!? 助かります!」


 ゼイールはメイドの部屋の扉まで行きノックした。


「もう…今度は何です? 忙しいんですけど」


 メイドがドアを開けると、ゼイールがメイドの姿を見て腕を組んで怒りを露わにした。


「リーサお前…!今何時だと思ってんだ!!寝巻きじゃねぇか!!」


「ででで殿下!? ななななぜこんな所に!?」



「なぜじゃねえ!! 弟の部屋に居ちゃ悪いか! 早く着替えろ! 今すぐ工房に行って星霊石を貰って来い! わかったな!?」


「ははははいっ!! すすすぐに行ってまいりますっ!!」


 メイドはドタバタと着替えて、鍋か何かをドンガラガッシャンと落としながら小屋を出た。


「ったく… 何でアイツはクビにならねぇんだ」


 それはまったく同意見だ。


「ところでトレイス、星霊石なんて何に使うんだ?」


「はい、魔法の研究をしたくて。 魔粒子操作の練習に星霊石を使うと魔導書に書いてありましたので。 あと魔法陣を彫刻する練習もしたくて」



「なるほど…魔石を作りたいのか。じゃあもっと色んな道具が必要だな、それも後で手配しよう。 魔具の部品もジャンク屋から仕入れて、各サイズのルクスリムのボンベも揃えるか、あとは…」


 本当にゼイール頼りになるな。 感謝しかない。


 ゼイールは星霊石の加工方法や、そのために必要な道工具などの説明もしてくれた。


 その後2人で魔導書を読んで、星霊石を使った魔粒子操作についても説明してくれた。 


「良いかトレイス、魔粒子操作は簡単じゃない。

 まずは己の魔粒子量がどれほどのものか知る必要がある。

 総量を知らずに魔粒子を放出し続けて枯渇すると命に関わるからな、しかも枯渇したら元に戻るまで数日かかる。

 医療料のポーションで少しは回復出来るが、今は持ってないからな。 それでもやるか?」


 ゼイールは何でも知ってるんだな。


「なるほど…。 でもやってみたいです」


「よし、わかった。 じゃあリーサが戻って来たらさっそく…」


「コラあ! 何処に持ってくつもりじゃい! 待てこのっ!」


 何だ? 外から怒鳴り声が聴こえるんだが…


 ドタバタ!ガチャッ! 


「ただいま戻りましたっ! 星霊石ゲットして来ました!」


 大人の男を引きずってメイドがノックもせずに入って来た。


「なっ!殿下!? 何だよ殿下の申し付けなら始めっからそう言えば良いのに、いきなり持ってくからビックリしたぞい」


 その男がゼイールを見て驚いている。 いったい何したらこうなるんだ…。


「リーサお前… まさか無断で持って来たのか?」


「え…あ〜…。 まずかったですか…?」



「あったりまえだろ!! 誰が盗んで来いっつったよ!!」


「ヒィッ! すすすすみませんっ!」


 私達は工房から来たというその男に頭を下げて謝った。


 その男は笑顔を見せて「ああ、気にせんでください」と言って工房へと戻った。



読んで頂き感謝です( *・ω・)

そんなあなたの今日の運勢は中吉です( *・ω・)


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