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メイドに聞いてみるか


 自室で魔導書を読んでいると、難解な事に気付く。 やはりおいそれと扱える物ではないようだ。


 この『星霊石』と呼ばれる人工の石に魔法陣を彫刻すると『魔石』と呼ばれる物になるのか。


 星霊石の製造方法までは書かれていないな…こりゃまいった。どこかで売っているのだろうか?


 呪文もそうだ、何度か声に出してみたが、何も起きない。


 やはり呪文は『理解と熟練度』が必要なのだな。 


 この体内に内包されている『魔粒子』と呼ばれる物質が魔法に変換される、というのがよくわからないな。


 ん? 魔粒子操作のやり方というのが書いてある。 そんなものがあるのか、試しにやってみたいな。 やり方は…


 『まず星霊石を手に握り』…ってその星霊石を私は持っていないんだが?


 ん〜…どっかに落ちてないかなぁ…


 あっ、魔具と呼ばれる物を見つければ、中に魔石が入っているのでは? そんで魔法陣を削り取れば星霊石が手に入るのではなかろうか。


 なかなかの発想の転換だ。よし、魔具とやらを探そう。


 いやメイドに聞いてみるか。


 私は隣の部屋へと続くドアをノックし、そのままドア越しに質問する。


「あの、リーサさん? 少しうかがいたい事があるんですが」


 ドアがガチャっと開いてメイドが顔を出した。


「なんです? 私今忙しいんですけど」


 嘘をつけ。 寝巻きじゃないか、もう昼になるぞ。


「あの、魔具が欲しいんですけど。 壊れている物とか、要らない物とかありますか?」


「魔具? たしか壊れたランプが…持ってきます」


 それは好都合だ、分解してみたい。


 しばらくして、メイドがアンティーク風の手持ちランタンを私に手渡し、欠伸あくびをしながらドアを閉めた。


 よくクビにならないな。


 さて、楽しい分解の時間だ。


 椅子に座り、作業台にそれを置いて、引き出しから工具を取り出して分解する。


 電球に…銅線…。 トグルスイッチ…。 なるほど。


 見た目はアンティークの手持ちランタンだが、構造自体は電気のランプに似ているな。


 電池が無い代わりに小さな楕円型だえんがたのガラス容器が付いている。 構造的にはガスボンベに類似しているな。


 このボンベの先に付いているのは逆止弁か…? アタッチメントが付いてて…ボンベ側がメスでランプ側がオスか…。


 おそらくこれが、ルクスリムとかいう液体の入った容器なのだろうな。 まだけっこう液体が入っている。


 この液体が黄緑色に光っているのはどういう原理なのだろうか。


 ノートに書きながら分解するのは久しぶりだ、前世なら動画を回す所だが、贅沢は言うまい。 これはこれで楽しい。


 というか、私の部屋の灯りはロウソクなのに、なぜあのメイドはこんな物を持っているんだ。 まぁいいか。


 私はランプの分解を始めた。


 見つけたぞ、これが魔石か。 随分小さいんだなぁ、色は白い。


 大きさも形もマメ電池(ボタン型電池)みたいだ。それがガラスに包まれていてボンベと繋がる、そこから銅線が2本出ていてスイッチに行くのか。


 引き出しからゴーグルを取り出して装着する、ゴーグルのレンズの周りをカリカリ回すと、手元が拡大されて魔石の模様がよく見えた。


 これは…彫っているのではなく、型に入れて固めたのか? そんな感じだな。


 石と言っても溶かしたり圧縮したりなどで形を作れるのだろうな。


 それなら小さい物でも加工がしやすい。


 そんで? …これに魔粒子が流れると、魔法陣通りの効果を生み出すのか。


 えっとこの魔法陣の効果は…?


 魔導書を見たところ電気を生み出す仕組みのようだ。 素直に電池を使いたくなるな。


 銅線とスイッチを繋ぐハンダが取れている、だから光らないのか、この程度なら直してみるか。


 さっきハンダゴテっぽい物があったような気がしたな。


 引き出しからハンダゴテっぽい物を取り出した、スイッチを入れると先端が熱くなっていった。


 魔具じゃん。 あったのか…こんな近くに。


 私はそのランプを組み立て直し、ランプのスイッチを入れた。


「おお!光った。 なるほどな、これは面白い」


 コンコンコンッ


 玄関からノックする音が聞こえて来た。



読んで頂き感謝です( *・ω・)

そんなあなたの今日の運勢は小吉です( *・ω・)


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