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聖火祭と、白いミノタウロス⑥


 ネルデ先生はまだ酒瓶を抱いて寝ている。


 可愛い爺さんだ。


 そんな中、ゼイールがグラウに連れられてどこかへ行って、しばらくしてグラウだけ肩を落として帰って来た。


 グラウが親指で後ろを指し示す、見てみるとゼイールと女の子が楽しげに話をしていた。


 そうか、もう12歳だもんな、多感な時期だ。


「なんだいあれは? 鼻の下なんか伸ばしてだらしないねぇ」


「なかなか可愛らしい方でありますなぁ、殿下も隅に置けませんぞ」


「いいっすねぇ…殿下はモテて…。 俺も声かけたんすけどねぇ。 庶民には手が届かないって事っすかね」


「ははっ 兄様は優しいですからね、女性は放っておかないでしょう」


 楽しそうでなによりだ。


 あっ。手を繋いだ。 なかなか積極的なんだな。


 てか、こっちに来る…?


「紹介しよう、弟のトレイスだ」


「殿下の弟君おとうとぎみですか。 えっと…どの方が?」


 おっと、ちゃんと挨拶しなければ。 


「はじめまして、トレイス・ドヴェルグと申します」


「え、あ、どうも…」


 ん? なんだ? 急によそよそしくなって。


「も、申し訳ございません…わたくし少々所用がございまして…失礼致します」


「ちょっ!おい! 何だよアイツ…感じ悪っ」


「あ…。兄様ごめん。 私のせいで気分を害してしまったみたいです…」



「は? 何言ってんだ、あんなもんこっちからお断りだ。 失礼な奴だぜ」


「フラれたねぇ〜。 なぐさめてやろうか? ふふっ」


「殿下も見る目がございませんなぁ、あのような者に声をかけるなど」


「そうっすよ、あんな高飛車な女によく声なんかかけれたっすね、信じらんねぇっす」



「お前が俺を誘ったんだろうが!!」


「「「ワハハハ!」」」


 良かったいつも通りだ。


 普通に接してくれる人は貴重な存在だ、ありがたい。


 この世界には私を避ける人の方が多い。

 しかし単一種族の中に私みたいのが1人だけ居たらそうなるのも理解は出来る。



 あ、ジュースがもう無くなってしまった。


 これはどこに置いてあるんだろうか。


 周りを見渡してみると、王の周りに居る人の数よりも、王妃の周りに居る人の数の方が多い事に気が付いた。


 なんだ? 派閥でもあるのか? …いや考え過ぎだな。


 『それ』を考えるのは邪推じゃすいというものだ。


「おいデゴイル、アレ持って来たか?」


「もちろんであります殿下!いつでも行けますぞ!」


 ん? アレとは?


「ははは! 本当にやるんすねぇ?!」


「ふふっ あんたら本当バカだねぇ〜」



 ゼイールは腰に手を当て自身に満ちた表情を浮かべた。


「よ〜しトレイス! 抜け出して街に行くぞ!」


「えっ? 今からですか? 抜け出すと言っても…どうやって…?」


 私は今まで外に出る事を許された事が無いのだが…。

 出ようとしても見つかって戻されるのがオチでは?


「はははっ! 付いて来い!」


 ゼイールが私の手を引いて会場から出た。



読んで頂き感謝です( *・ω・)

そんなあなたの今日の運勢は平です( *・ω・)


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