表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/51

こりゃマズい


 私とゼイールは魔粒子操作の訓練を始めた。


「さてと、トレイス。 星霊石の性質は、魔粒子を吸って外に放出するんだ。 その時、魔粒子に反応して白く光りだす。 まずは星霊石を握ってみてくれ」


「はい、やってみます」


 私は言われるがまま星霊石を握ってみた。 すると体内から星霊石に向かって何かが流れているのを感じた。


 2〜3秒遅れて星霊石が白く光りだした。


「兄様!光ってます!」


「ああ、じゃあ今度は、その体内から石に向かって流れる感覚を速くしてみろ。 これは感覚だからな、難易度は人それぞれだ」


 私は目を閉じて感覚を研ぎ澄ます、前世で父さんと瞑想したりしていた時を思い出した。


 流れる感覚を速く…これは気の流れを作る感覚に似ている。 前世の戦闘訓練では『意念』と呼ばれる技術だ。


 意念とは、力の伝わり方を強くイメージして念じる事で、地面から足、足から腰、腰から肩甲骨、肩甲骨から腕、腕から拳に、力を正確に伝えたりする技術のことだ。


 つまり、思いの強さが己の感覚を研ぎ澄ます。


 この流れる感覚を…速く…もっと…もっと速く…


「待て待て!トレイス! やめろ!」


 パァァンッッ!!


 物凄い破裂音がしたと思って驚いて目を開けた。 すると手のひらに握っていた星霊石が壊れて破片か手から溢れていた。


 ゼイールは後ろに手を付いて驚きを隠せずにいる。


「トレイス… 今の…マジか…」


「え? ど、どうなったんです?」



「魔粒子を放出する量とスピードに星霊石が耐え切れず破壊された。こんな壊れ方は初めて見る…」


「えっと…それって良い事か悪い事か…どっちなんです?」



「凄い事だ! トレイス!お前は凄い事をやった! もちろん良いに決まってる!」


「よ、よかった…。ビックリしたぁ」



「今のを見て察するに、体内の魔粒子量も高いだろう。

 熟練の魔術師でも星霊石にヒビを入れる程度だってのに、大した奴だ。

 じゃあ次は、限界を知るために魔粒子を流し続けよう、今度は両手でだ。

 星霊石が壊れないように調整しながらやってみよう、気分が悪くなったらすぐ止めるんだぞ」


「はい! やってみます!」


 星霊石を2つ手に取り、両手に魔粒子を流す。 今度はゆっくりと、少し速い程度で。


 すると星霊石が光り、玄関のドアがドンドンっ!!と鳴った。


 は? なんだ!?


「何です!?今の音は! すぐここを開けなさい! 何をしているんです!」


 レイシル王妃の声だ、私とゼイールは「こりゃマズい」と顔を見合わせた。


 ゼイールが恐る恐る玄関を開けると、鬼の形相のレイシル王妃が立っていた。


「ゼイール!? なぜ貴方がここに居んです!! こっちいらっしゃい!」


 ゼイールは渋々外へ出た。


「危ない真似しないでちょうだい! ゼイールに何かあったらどうするんです! さあゼイール!行きますよ!」


 ゼイールは苦笑いを浮かべて私に手を振り城の中へ帰って行った。


 ははは…。 さて、1人で続きをやるか…。



読んで頂き感謝です( *・ω・)

そんなあなたの今日の運勢は吉です( *・ω・)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ