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散文詩 85 「女は女らしく」
日々、心に残ったことを文字にしてみた
「女は女らしく」
小さい時に母とお風呂に入った。
固形石鹸の石鹸箱に、古くて小さくなった石鹸と新しい大きな石鹸があった。
母が「女の人は小さいほうを使わなきゃいけないよ。」と言った。
私は「なんで女の人が小さいほうを使わなきゃいけないの?」と反論した。
自分が女なのはわかっていたが、
まだ男女差別の知識もない4、5歳の頃だったと思う。
女だからって小さいほうを使い、
男だからって大きいほうを使うのはおかしいと思った。
その気持ちを今でもよく覚えている。
母の考えは昔の日本人女性の奥ゆかしさ、美徳だったのだろう。
私の素朴な疑問は一瞬で古来の美徳を粉砕した。
母は絶句して明確な説明をされた記憶がない。
男女差は個人の一要素に過ぎない。
性別だけで厳格な境界を定める社会には住みたくない。
男は男らしく、女は女らしくという社会で育った私は、液体ボディソープを使う。




