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散文詩 81 「犀の角」
日々、心に残ったことを文字にしてみた
「犀の角」
「犀の角のようにただ独り歩め」は、お釈迦様の言葉だそうだ。
スッタニパータという経典の中で繰り返し登場する。
私利私欲、しがらみを捨て、他者や外界に惑わされることなく、
群れることのない犀のように自律し、独り修行しなさいということらしい。
体重2トンもある大きなサイの鼻先に、
真っ直ぐ生えた固い一本の角が想起される。
しかし、なぜお釈迦様は「犀のように」と言わず
「犀の角のように」と言ったのだろう。
「犀のようにただ独り歩め」でいいのではないだろうか。
日本語訳の誤訳という説もあるが、サイの絵を見て思った。
サイの角は、巨大なサイの体の鼻先に凛と突き出ている。
サイの角は、角自身で前に進むことはできない。
サイの大きな体が、サイの角を前へ進める。
人間はサイの角だが、それは大きな力で背後から動かされ守られている。
だから私たちは何も心配することなく、犀の角のようにただ独り歩めばいいのだ。




