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散文詩 5
日々、心に残ったことを文字で残してみた
「五感」
父は私を抱えると、決まってげじげじの髭を頬にこすってきた。
父の胡坐の中に座ると、酸っぱ臭い足の匂いがした。
他の人の麻雀牌を覚えては父に耳打ちした。
「教えちゃダメだよ。」と優しく叱られた。
父のチックの香りを嗅ぐと、甘い飴の味がした。
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「母」
チョコレートは甘くない
バラの紅茶は白湯
漫才師が何かしゃべり続ける
母が少しずつ消えていく
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