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かくれんぼのおじちゃん

作者: たなか

 小さい頃、近所の神社の境内で、よくかくれんぼをしていました。ある時、掃除道具が入れてある物置に隠れようと扉を開けたところ、そこには一人の見慣れないおじさんがいました。


「おじちゃん、こんなところで何してるの?」


「おじちゃんは、かくれんぼしてるんだよ」


「へ~え、大人なのに変なの! じゃあ、しょうがないから別の場所探そ~っと!」


 そのおじさんにもう一度出会ったのは、私が中学生になった頃だったと思います。正確には会ったのではなく、一方的に見つけたのです。この顔にピンときたら110番のポスターに描かれている、あのおじさんに瓜二つの似顔絵を。


 ガラガラガラ


「おばちゃん、こんなところで何してるの?」


お姉さん(・・・・)は、かくれんぼしてるのよ」


「へ~え、大人なのに変なの! じゃあ、しょうがないから別の場所探そ~っと!」


 全く……最近の子供は躾がなっていませんね。せっかく昔の思い出の記憶に耽って、センチメンタルな気分になっていたのに。とりあえず私も隠れ場所を変えることにしました。時効まであと1年。私もおじさんを見習って、最後まで警察官()に見つからないようにかくれんぼを続けたいと思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] これは悪い鬼ごっこですね。 主人公には悪いですが、早く見つかって欲しいものです。
2021/07/29 20:37 退会済み
管理
[良い点] たった500文字足らずで、ちゃんとホラーって成立するんだ……。(そっと自分の書きかけのホラーを削除する) そういや、たなか先生は五七五の川柳でもホラーを書いてくる方でしたね。 [一言] …
[一言] こわぁ…… 気付いたら背筋が凍る話的な。
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