出発
次の日には出発することとなった。今はもうなおったが、瀕死の重症をおった
彼女の助けるために、モナが一足先に町へといっているからだ。
すれ違わないのか心配しているのはなぜか私だけ。理由を聞くと
もうミナがなおったと連絡をとったからそうだ。
「以外と発達しているんですねぇ~。」
意外そうにいう私を常識はずれとして認知されていないのは
ひとえにこの服のお陰だろう。
「……ねぇ、東方のほうはやはり文化が違うわよね。
できれば教えてほしいのだけど。」
そのように懇願されて私は困ってしまう。このような身なりをしている
けれど正直いって、服はその日の気分。私にとって東方も西方
もありはしない。
「……あまり話したくはないかなぁ~」
あははとごまかす私をみて深追いはしてこなかった。でも、少しだけ
疑惑の目を感じた。
ミナはまだ寝ている。たぶんだけど体に魔力がないせいでかなりの負担を
かけてしまったようで、寝ないと体力が回復しないのだと結論づけた。
ときおり、仲間が心配そうにミナをいるが、当の本人は幸せそうな顔で
スースー寝息をたてていた。
◆ ◆ ◆
「止まれ」
自由を唄う都市そこの検問を受けていた。なにか自分の身上を証明する
ギルドが出す身分証、もしくは国に一人は持っている登録票。
どちらも、偽装不可である。……とされているが正直、人間族以上の上位種なら
偽造は簡単。そこをわかっているのかわかっていないのか。
「……東方の人間か。身分証明のようなものを持っているか?」
さすがにこの格好では怪しいのではないかと偽造はしていない。どう答えるべきが
迷ったが。
「残念ながら持っていません。……私は通れませんか?」
さすがに異なる文化で育ってきたであろう人に押し付けることはしないだろう。
「いいや、通れるがここで身分証を発行してもらう必要がある。……
よかったな、発行する場所がここで。」
つまり、ここでなら、身分証を発行してもここに縛られる必要が
ないということだ。
というわけで、彼らとは別れることになった。というか私が治癒した
お礼は近くの町まで送ることなのでどのみち別れることとなると思うけど。
笑顔で、手を振り別れた。
◆ ◆ ◆
つれていかれた場所は、なんと神殿だった。ここ自由都市ミチェラーノを
治めている五大老の会議室にでも通されると思っていた。
「まぁ、神殿ならその人の真実のみを知れる。ちなみに裁判も神殿で行われる。」
検問をした兵とは異なる、より身分の高いであろう人が、気さくに案内してくれた。
たぶん私に気を使ってくれたのだ。
ーーいい人だなぁ。
ふいに足を止めた彼は手を胸にあて、祈りを捧げる。何をしているのか疑問に
思った私は彼の視線にあるものを見た。
ーーげっ
声が出そうになり慌てて口を押さえる。
他でもないあれに見覚えがあった私はどうしても笑いそうになってしまう。
必死に耐えてプルプルしている私をみた お偉いさんぽい彼は感激したか
と嬉しそうに私の背をたたした。
ーーいやちがう。そうではない
あれはただの悪ふざけなのにと、なぜか尊敬されているであろう木をみた。
ーーほんとうに尊敬に値するものではないだけど。
多くの誤字があったようで申し訳ありません。
訂正させていただきました。気をつけます