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花ノ言葉  作者: ナイン
第一章「紅の音色とアマリリス」
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プロローグ

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期待されるのが嫌だ。

そんなの、私は望んでいない。

私の努力を、「天才」という言葉で終わらせないで。


あなたは分かってくれる?

たった一言で私の何が分かるの。


「期待してるよ」

「頑張ってね」

「みんなも坂入さんのように頑張りましょうね」


毎日毎日同じことばかり。

生徒も教師も、私を模範生徒にしたがる。

私だって、普通の生徒でいたいのに。



私、坂入紅音は普通の女子高生でいたかった。



☆☆☆



彼女はいつも美しかった。

いかなる場合でも彼女は美しい。


彼女はいつも美しかった。

そう期待されるのを、彼女は望んでいない。


彼女には裏の顔があった。

それを知る人間は僕だけだった。



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