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サクの冒険
なぜ目が覚めたのか
サクのこの日は疑問から始まった
天井は明るい土の色で
白いシーツから埃が舞って光のラインが見える
窓から差し込む光だったのか
隙間からふいてくる風だったのか
自分を起こしたのはなんだったのだろうと疑問に思った
隣の部屋ではアリが食事の支度をしている
サクが起きるとゆっくりと落ちていく埃が舞い上がってふにゃりと曲がった線を映し出した
起きる前
自分は寝ていた
意識はどこにあったのだろう
誰かが自分の中にいて
何かを感じて自分を起こしたのか
それとも
誰かが自分を乗り越えたところにいて
何かがきっかけで自分がそれに気がついたのか
ゆれる埃をみながら
疑問を考え始めると
サクは心臓がバクバクした
すべて当たり前だと思った事も
不思議になった
起きること
寝ること
息をすること
ここにいること
自分の存在
なぜここにいるのか




