鳥の巣
寝ぼけた僕の頭の上で
幾何学模様とダンスする
この細い住人たちを
僕は鳥の巣と呼んでいる
誰も住まない鳥の巣
住人だけで構成された
いびつに入り組んだ針の山
花畑の手入れのように
開いた花を摘み取って
花畑の手入れのように
隣の苗と綾取りをする
ほのかにくすぐる
冬の香り
冷たく沈む
花の香り
空気入れを持ち出して
風を送ってあげてみても
一向に膨らむ気配のない
しぼんだフウセンカズラのよう
誰もいない
誰もいない
ぺったりとした苗床と
湿ったふとんが似たもの同士
ありがとうございました。