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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

「転生しても私は私」

ものぐさ伯爵様

作者: 柳銀竜

転生しても私は私の番外編です!

長男君のお話!

 


 俺の名前はシュウ。シュウ・ウィングだ。


 面倒くさいが伯爵家の当主をしている。


 そして、先日。

 母が間抜けな死因で亡くなった。


 まあ、どうでもいいか。

 母の人生なのだから、彼女に悔いが無ければ問題ない。


 好きなことだけして、生きたんだから悔いなどないはずだ。


 しかし・・・母の葬式のあと、父親達に言われた言葉に俺は目を見張った。


「皆で殺し合いをするから、審判をしてくれ」


 意味わからん!!殺し合いなのだから審判いらないだろ!!

 というか、何の審判だよ!

 そして、面倒くさい!!確かに俺は、遠視の魔術使えるから適任ではあるがな!


「今からユリナの回りに穴を掘る。

 殺し合いで、早く殺られた奴はユリナから一番離れた場所に、一番最後に殺られた奴は、ユリナのすぐそばに埋葬してくれ」


 墓穴自分達で掘るのかよ!

 マジかよ!!

 ってか父様達!!スコップ取りに行く前に座れ!

 って行くなよ!!説明しろゃ!!


 心の中で罵声を飛ばしまくっていると、父様達がビクッとした。


 あれ?


「すまん。説明をするから」


「すまない」


「そんなに怒るとは」


 グレル父様と、シュエ父様と炎華父様が軽く頭を下げできた。


 ルシフル父様を見ると、申し訳無さそうに此方を見ている。


「あれ?声に出てた?」


 俺がそう言うと、父様達はコクりと頷いた。


「ごめんなさい」


 俺が、罵声を口にした事を反省していると、サヴァー父様は何やら袋を持って俺に近づいてきた。


「・・・お菓子食べるか?」


 ・・・成人した息子に言う言葉か!!


お菓子さえあれば、俺の機嫌が直るなんて思ってんのかよ!!と思いながら菓子を受け取り、口に放り込んで租借した。


 ん!アップルケーキか!うまっ!


「シュウ。ケーキを食べながらでいいから聞いてくれ。

 私達は、ユリナから自殺を禁じられている。

 婚儀の時に、魔術で契約した誓約の中に自殺を禁じる文面があったからだ。

 ユリナは、人の命は尊いとかもっともらしい事を口にしてはいたが、本心は全く違ッイッダッ」


 力説をするサヴァー父様を、蹴りどかしたシュエ父様(実父)が、俺の顔を見ながら口を開く。


 サヴァー父様が、母様の心の内を理解した口振りなのが、シャクにさわったらしい。


「ユリナが、私達に後追いをしてほしくない本当の理由は、転生の仕組みにある。

 実は私達も、つい最近まで知らなかったのだか、同じ時に転生した魂は絆が生まれるらしい。

 だから私達は死のうと思う。

 まだユリナは、死者の世界にいるらしいからまだ間に合うはずだ。

 ユリナに自殺は禁じられているが、他殺は禁じられていない・・だから殺し合う事にした。

 シュウ。お前はユリナに見目と中身が良く似ている。私達は、最愛の女に良く似たお前に私達の順位を判断してほしい。父達の頼みを聞いてくれるか?」


 父親達が真剣な顔で俺を見つめる。


(これは逃げられないな)


 かなり面倒くさいが仕方ない。


 何で面倒くさいかと言うと、父親達がかなり強いのが理由だ。


 人外野郎二人に、竜種、魔族、神族の最強が戦うのだから、1日位じゃ決着はつかない。


 面倒くさいが、逃げられないなら抵抗するだけ疲れるだけ。ならば。


「分かった。ただし出来るだけ被害が少なくなる場所でやってくれ」


後始末が大変だからな。


「「「「「ありがとう!!シュウ!」」」」」


 再び、父親達がスコップを手に持ち、家を出てから一時間後。


 人が踏みいらない寂しい場所で、父親達の殺し合いが始まった。


 監視魔術で見ていたのだか、誰かの気配を感じる。


 こいつが、父親達に情報を漏らしたらしい。


 実に楽しげな気配に、母を憐れに思った。


「来世でも母様は遊ばれるな」


 これが神様なのだろう。


 神様に飽きられるまでは、母様は孤独に生きることは出来なさそうだ。


 そんな事を考えてながら、ノンビリ微睡む。


 腹が減っては食事をとり、見て、寝て、食事を食べてまた寝て、3日。


 やっと勝敗が決まったようだ。


 やはり一位はシュエ父様だった。次が、種族的にも強い炎華父様。

ルシフル父様が、炎華父様に攻撃されている間に、グレル父様がシュエ父様に瞬殺され。その数秒後。ルシフル父様の障壁が、炎華父様のブレスに耐えれず消し炭にされた。

因みにサヴァー父様は、真っ先に瞬殺されていた。

グレル父様と、シュエ父様の二人がかりでだ。

三日前の発言が、理由で無い事を祈りたい。

俺は関係無いぞ!!まあ・・それよりも・・・・・・父様達・・・・


「母様と会えるといいね」


 まあ・・父様達なら無理矢理会いにいくだろうが・・・・・・


父様達の遺体を、兄弟達と一緒に墓に埋め(母の両隣に2つずつ。人二人分位、離れた場所に1つ穴が掘られていた。ご丁寧に番号札まで入っていた)各地にとんでいる兄弟達と、父達の親類や知人も呼んで、盛大な葬儀を行った(父達の莫大な遺産があるので、ちょっと豪華な葬儀にしてやった)


 葬儀が終わり。墓を眺めながら、生前の父様達を思い出す。

・・俺もいつか・・全身全霊をかけて人を愛してみたいな・・・父様達みたいに・・・・まあ、俺の生活じゃあ無理だろうけどさ。





 数年後。

 シュウは、マグダリア王家の第一王女に、しつこくしつこく求愛され、いつの間にか愛してしまう。


 そして、大恋愛ののち結婚し、沢山の子供達に恵まれ、最後は同じ棺で埋葬された。


 妻は病死。俺は服毒死。


 今なら・・・母様の後を追った父親達の気持ちが分かる気がした。

今まで、欠片も似ていないと思ってい たが、俺はしっかり粘着質なシュエ父様の血を継いでいたらしい。


愛する人のいない世界で、生きることが出来なかったのだから・・・・・・ 


実は神様は、シュエ達の夢にも入り込んでいました。

夫達の魔力が高いので可能だったようです。神様は、ユリナが沢山の人に囲まれて好かれて人生を謳歌するのが幸せになると思い夫達を唆しました。

あの夫達なら、ユリナを孤独になどしないと考えたようです。神様が楽しげなのは、ユリナが幸せになれると嬉しいからでした。

神様の行動は善意でした!








しかし、ユリナもシュウも嫌がらせと受け取りました。

神様可哀想!!

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― 新着の感想 ―
[一言] 早い更新ありがとうございます。 面白かったです! シュウって、ユリナとシュエの混合…。混ぜるな危険!!な感じがしますね。 次回も楽しみにお待ちしてます。
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