Ⅰ待ち合わせ。
はじめに
これは趣味で初めて書くものです。
過度な期待をして読まないでください。
――――待って!行かないで!――――
はっ!
(またこの夢……)
私の名前は木野明里。
あの事故以来、ずっと同じ夢を見る。
彼が暗闇へと遠ざかって行く夢を。
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..
(遅いなぁ〜早く来ないかなぁ〜)
今日は私達が付き合って1年目の記念日!
いつもより気合いを入れて身支度をした私は、待ち合わせ場所で彼を待っていた。
駅の南口を出てすぐにある花屋、そこが私達のいつもの待ち合わせ場所だ。
私の元バイト先であり、彼と出会った場所。
「お?今日はいつもより気合い入ってんじゃん。」
「あ、店長!今日は彼と付き合って1年目の記念日なんですよ!」
「なんだよぉ〜、早く言ってくれれば花束作ってやったのに〜!あっ!帰りに寄ってきな!それまでには作っとくからさ!」
「ホントですか!ありがとうございます!」
店長は優しく、かっこいい女性だ。
毎日店長目当てでお店に来る女性がいるほど、彼女はモテる。ただし男性には悲しいほどモテない。
「ホントにあんた達はラブラブでいいわ〜。明里ちゃん、アタシにもいい人紹介してよ〜」
「店長ならすぐに出来ますよ〜多分(笑)」
「すぐに出来たらこんな苦労してないって……。そういえば今日はやけに侑海君遅くない?」
「ですよね、いつもなら5分前には着いてるのに……どうしたんだろ。」
そんな話をしてた時、私のスマホの着信音が鳴った。
「お?噂をすれば?」
「いや、侑海のお母さんからですね。なんだろう。」
彼の母とは一度会ったことがある。
明るく、面白く、素敵な母であった。
出会って一日で意気投合し連絡先を交換していた。
突然の彼の母からの電話に、私は嫌な予感がした。