衝撃の言葉
次の日になっても、彼は来なかった。
私が勝手に決めただけなので、彼には予定があったのかもしれない。
悪いことしたなぁと思いつつも、きっと時間が空いたらまた来るだろうと気楽に考える。
そして、そんな平穏な日々が三日ばかり過ぎた時のことだった。
また、ジェーンと出会ってしまった。
「おはよう。・・・今日は天気がいいから、ジェーンも仕事に精が出るね」
そう挨拶した私に、ジェーンは露骨にげんなりした顔を向けてきた。
あれ、今の挨拶は自信があったのに。
いつもは私の下手な言葉に笑う癖に、そんなにひどかっただろうか。
今までにない反応を見せられて体が強張る。
ジェーンはため息を吐いた。
「お前さぁ、もうちょっと自分に自信もてよ。可愛いんだから」
朝から何を言っているんだ。
・・・何を言っているんだ!
心の中で突っ込みつつも、赤くなった顔を隠すために、顔を俯けた。
ああ、でも、耳も熱いから耳も真っ赤だろう。意味がない。
「なんで俺の言葉に照れてるんだよ・・・・。そういう反応が面白いんだけどな」
仕方ない。体が勝手に反応するんだ。
正直、それを分かっていて言う彼が恨めしくて仕方なかった。
俯いたまま、やっとの思いで言葉にする。
「いきなり、そんなこと言わないでよ。私が極度の恥ずかしがり屋って知ってるんでしょ?・・・昔からの友達なんだから」
「昔からの友達、ね。・・・お前、好きな奴とかいねぇの?俺はもちろん友人としてお前のこと好きだけど、そういうのじゃない奴」
体温が上がる感覚がした。
相談に乗ることには慣れてる。
が、自分のこととなると恥ずかしさで、何も言えなくなってしまう。
だから、躍起になって否定するのだが、前世ではそれが逆に怪しいとからかわれていた。
ちなみに、対処法は未だ見つかっていない。
「な、なんでいきなりそんな話になるの?いないよ。やめてよ、そういう話。私、友人以外の好きはないの」
それより、なんで彼がこんな話をするんだろう。
今日のジェーンは、なにか変だ。
彼もまた、恋患いなのだろうか?
上がってしまった体温をなんとか下げようと、頬に手を当てて、冷ましてみる。
私の言葉に彼は納得したようで、呆れたような眼差しはもう私を見ていない。
ただ無表情で遠くを見て、「あいつも大変だなぁ」と呟いていた。
そんな変な彼に、私はただ首を傾げるしかなかった。
今日は本当に散々だった。
ジェーンがあんな変なことを言ったせいで今日一日変に気が高ぶってしまった。
仕事の間もなかなか集中が続かなかったのもジェーンのせいだ。
でもそれは結局、私が何一つ変わっていないことを示していて。
そのことにに気付くと、高ぶっていた気も嘘みたいに落ちた。
生まれ変わって18年も経ったのに、何も成長できていないまま。
変われてないまま。
ジンはジェーンと相談したようです。
修正しました。